シン・ゴジラ(ネタバレなし)

ネタバレなしはお約束しますが、本質的にはわかってたら楽しめないというタイプの映画でなく、何度観てもいいものだと思います。公開初日に観ましたが、既に二度目の券を買ってあります。つまり、絶賛。公開が終わったらネタバレ込みでここがあそこがすごいって話を書こうと思いますが、とりあえず今はここを読んでくださった方が、100%楽しめるように配慮しつつ、全力で応援するものです。

 結論じみたものから先に書きますが、これは日本の総力です。日本そのものといってもいいかもしれません。

座組を見て欲しいんですけど、とりあえず主演級の名前の大きな3人。ここは普通に日本映画主役級です、が、まあ東宝がやるんだからそのぐらいは普通です。注目したいのは、それ以外の出自です。所謂人気俳優はおいといて、乾電池(柄本明)、大人計画松尾スズキ)、新幹線(古田新太)、カクスコ(中村育二)と有力劇団のトップが名を連ねます。犬童一心塚本晋也と監督が並びます。ANI、瀧という、日本音楽界屈指のぼんくら2トップがいます。モデル筋としてはマニア受けだった(すみません)市川実日子がいます。ああ、なんてサブサブカルカル。田口トモロヲがいないのが信じられません。原田知世とまではいかないまでも、麻生久美子でもいれば完璧だったのに。

ここに各省庁や大学の協力が加わります。正直言って、言ってることの意味がわからんというか、正しいのかどうか検証しようする気すら起きないのですが、とにかくものすごい勢いでいろんなものが襲ってきます。オタク的突っ込みを勢いで封じます。

で、そんなこと書いてちゃぶ台返しますけど、ポイントはそれだけの名前を並べて怪獣なんて好き者向けのもの作っておいて、そういう映画じゃないってところです。直球ど真ん中で楽しませにかかります。2時間弱、一瞬たりとも休まる暇はありません。カッコいいと笑い、おもしろくて笑い、ドラマに泣きで、ずっと何かしらの感情がわきおこり、心のジェットコースターやーとなります。

このサブサブカルカルな座組を、よりにもよって庵野秀明がしきったものが、ど真ん中のエンターテインメントなんです。伝わるかわかりませんけど、なんて感動的なこと。

もちろん、これだけの数ですから、殆どの名前は一瞬です。誰もが何かの貢献をしているということではなく、キャストは3人以外一律ですけど、貢献度にはものすごい幅があります。例えば倉敷保雄という方が大好きなのですが、今日までツイッターを見る限り、一人もみつけられていません。他にもそんな人いますけど、それも楽しんで欲しいので書きません。

ああ、ネタバレしないとなると、ばしっとした文章になりません。ただ、ひとつだけはっきりと言えることがあります。

これは、私の人生で一番おもしろい映画です。

そして、日本が好きになる、いろいろひどいこともあるけれど、捨てたもんじゃないって思える映画です。

それが日本の総力と書いたところでもあるのですが、であればこそ、これを経済的にも成功とする必要があります。私はパンフだけでなく、グッズももりもり買ってきました。今週も行きます。5回は行くんじゃないかな。

ぼちぼちネタバレ的なものもにじんできているし、まずは一回お早めに。これ以上に大事な用事などまずありません。いいから。いいから。

FUJI ROCK FESTIVAL 2016 7/24のみ

フジ行ってまいりました。一人で、はまあよくあることとして、今回初の1日参加。主にBABYMETAL目当てです。始発でいって翌始発で変える強行軍。

スケジュールとか、金銭面とか、諸々の手配などの面では問題なく、これからも検討に加えてもいいかと思うのだけど、体力的にはすげえ厳しかったみたい。仮眠所で4時間も寝たのだけど、東京帰って、シャワー片付け洗濯アイロン昼食済ませて、アイロンしまうにあたって冷まさないといけないなー、こんなんなら半休でも十分いけちゃうなーなんつって、軽くベッドに横になったら18時になってた。記憶がない。こわい。

MARK ERNESTUS' NDAGGA RHYTHM FORCE

初手はdCprGのつもりだったのだけど、グリーンはどうせ通るし、オススメされたので。

えらいもん観た。基本太鼓叩いて踊ってるだけ、なんだけどグルーヴがすごいというかすごすぎる。あと、終わりまで一度も演奏が途切れなかった。そんな曲あるとは思えないので、あれ多分殆ど全部即興。

途切れないし、法則性みたいなものもあんまり感じられないから、おれ程度の音楽理論では意味がわからない。ので、早々に考えることを放棄して、とはいえ暑いし先も長いので、気持よくぼーっとするに留める。本当はビール買おうかと思ったけど、体力とお金というリソースを考えて、ソルティライチをくぴくぴ。もう一回書くけど先は長い。悪くない出だし。

てかこれドイツなのね。英語がフランス語圏の人っぽかったし、なによりアフリカとの結びつきという意味でそう思い込んでいたから驚いた。

dCprG

なるよcが帽子も含めて全身真っ黒背中にドクロという、何装戦線だよという暑苦しい格好。

デートコースって多分、ちゃんと観るの初めて。通りかかったとかはあるような気もするけど、大村さん参加以降は間違いなく初めて。CDは多分全部聴いているのだけど、単独に足を運ぶってまでの入れ込みではなく、セクステットとかなんとなく観てるし、そのうち機会があるだろうと思っていたらやべー勢いですげーなかった。

まず演奏がもう全員べらぼう。そんなに上手かったらさぞかし楽しいでしょうね。基本的に上手くあらずばミュージシャンに非ずぐらいに考えているおれはこれだけでもう嬉しくてにやにやする。ご飯3杯いける。うめえ。ああ、うめえ。

大村さんが思いの外ガチにメタルプレイで、前々からよくわからなかったけど、もうこれジャズなの?という感想に。大村さんはジャズって言ってたし、特に否定することもないんだけど、大村さんがノリノリのときなんて殆どDream Theater、つまりプログレとの区別がつかない。

ここに、OMSB(SIMI LAB)が参加したなら、ラップも加わるわけだけど、そこでもまだジャズと言えるのか、というかそもそも言うのか。さらに、おれは実はかなり好きなのだけど、なるよcのアレも、ラップか?って言われるとむうううううってなる。

まあ、おれのiTunesでのJAZZタグはもう殆ど50年代のもので、さすがにそれをもってジャズってこうだろとは言えないのだけど、じゃあこれとROVOなんか(これはジャズと名乗っていないでしょう?)とを明確にジャンル分けできる人っているのかしら。

って考えると、これはなるよcによる、唯一無二の、ぼくのかんがえたさいきょうのおんがく。本当の意味でなんでもあり、ミクスチャー。ジャンルなんて関係ない、音楽は自由だとかぬかしやがるなら、ここまでとは言わんまでも、それなりの技術と知識はいるよなあとかとか。個性とデタラメ、雑、未熟は別物だぜ、というか相反するものだぜ。

なんとなくの印象で、再始動前と、その、ミクスチャー感が違って、ロック的というか、わかりやすい方によってるなあと感じるのだけど、その辺、ファンのみなさま方におかれてはいかがでしょうか。

ところで、メンバー紹介ちょっと場所離れててちゃんと聞こえなくて、ドラム千住とギター大村ぐらいしか聞こえなかったのだけど、なるよcが客席に背を向けてキーボード、はいいとして、その真後ろにパーカッション、その更に真後ろにベースで、ほっとんど姿が見えなかった。可哀相。

多分わかってきてるんだろうけど、おそらく親子連れの、中学生?って若者がBABYMETALのTシャツ着てて、大丈夫?楽しい?って見たらすごくノリノリだったので微笑ましかった。おれが君ぐらいのときにこんなけったいなライブに触れる機会はそうそうなかったよ。好きなBABYMETALみたいなポップなもののついでに幅を広げられるなんていい時代だ。そして連れてきてくれるなんていいお父さんだと思うよ。よかったね。おれもそんな夏休みを過ごしてみたい人生だった(流行語)。ついでに、学生や20やそこらで、もしかしたら?ぐらいの関係の女子と来てみたい人生だった(流行語ワンスアゲイン)。

ところで、何故か、まったく何故か思い出せないのだけど、iTunesにREPORT FROM (両方)しか残っていない。いやいや絶対全部CDあったって。実家かどっか(もうよくわからない)にジャズ箱ってのがあって、エンコ済みのものは入れてあるんだけど、そこかなあ。上述の通り、あんまりジャズだと思ってないので違うと思うんだけどなあ。この間の一斉処分のときは、未エンコのものはエンコしたから違うはずだしなあ。

DEAFHEAVEN

待ち合わせもあってホワイトが都合よく、それなりに楽しみではあったのだけど、残念ながらただうるさいという印象。メタルとシューゲイザーつうのはわかるけど、結果それただのデスメタルだよね。にしては技巧がないし。無個性だと感じる。

思い切って緑まで走って戻って、途中からでも2cellos観れば良かったよ。

目当ての一つだったのに直前キャンセルかましてくれたAvalanchesのおかげでちょう暇。STEREOPHONICSなどもちょい観るが、そんなに気分でもなく。飯食ってホワイトに戻る。

ROBERT GLASPER EXPERIMENT

BABYMETALのための前乗りではあるのだけど、演奏が上手いのはなんでも好きなので楽しい。特にドラムの人はなんですかあれ。ハイハット刻みを止めずに、左手だけでスネアタカタンカタンタタタタとか普通にやらないでくださいきもいから。

最後smells likeのカバーで笑う。フルコーラスやったのだけど、2コーラス終わったところで後ろの兄ちゃんが、これNIRVANAじゃない?とか言い出して更に笑う。いま?

この時点であからさまなBABYMETALの客が多く、おそらく規制だったと思うけど、きたからにはちゃんと楽しもうとしていて概ね地蔵ではなかったし、ロバートさんのお客さんも入れ替えで結構出て行ったので、懸念されたほどのひどいことにはなりませんでした。までもグリーンでやれというのは変わらないけど。

BABYMETAL

かわいかったです。ちょうかわいかったです。コレ観に老骨に鞭打ってきました。

演奏もいつも通りだけど、BOHさんのベースがいつもよりはっきり聞こえてよかった。

ただ、リハでやったのだから、あわだまはやれ。

客はまあ、いつもの、常識からするとちょっとひどい方々です。女性や子供には本当にきついと思う。

あと、考えてみると知人の目のあるところでダメジャンプはともかく、「ばきゅん!」とか「イエスタデー!」とかやったのは初めてで、今になって恥ずかしい。ロキノンだとヘタすると職場の(若くてものすごくかわいい)女子と出くわすので気をつけたい。

なお、ここでだけちょい雨。天候には恵まれたな。

  1. BABYMETAL DEATH
  2. ギミチョコ!!
  3. Catch me if you can
  4. YAVA!
  5. イジメ、ダメ、ゼッタイ
  6. メギツネ
  7. KARATE
  8. Road of Resistance

Explosions In The Sky

申し訳ないけど時間つぶしに座りで。

つかみがオッケーじゃなさすぎる。チリペッパーズ目当てにそろそろと立ち上がったあたりですごく盛り上がってた。はなからやってほしかったなそれ。

RED HOT CHILI PEPPERS

不満。まあ、ジョンがいないのだし、お年なので仕方ないけど、新譜も含めて地味すぎます。

一応これはやってほしいよね、っていう、scar tissueとかby the wayとかunderとかgiveとかはサービスとしてやったくれたけど、あとはこれたぶん新譜ですよね。聴き込んでないからわからないけど。

  1. Goodbye Angels
  2. Dani California
  3. Scar Tissue
  4. Dark Necessities
  5. Parallel Universe
  6. Otherside
  7. Look Around
  8. The Getaway
  9. Californication
  10. Go Robot
  11. Under The Bridge
  12. Detroit
  13. By The Way
    en
  14. Dreams Of A Samurai
  15. Give It Away

電気グルーヴ

battlesはもう体力的に無理で断念。

解散後、ひとりで。ノンストップリミックスで、NO、富士山ってところで離脱。どうもアンコールでシャングリラ、はともかく、虹やったらしく大変に悔しいのだけど、終バスがなくなるし、いうてももう20時間ぐらい活動してるので限界。さようなら。
正直ケンタウロスみたいな演出を期待して選んだので、そこはちと肩すかし。普通でした。やでも瀧はやっぱいいよね。見てるだけで幸せになれる生き物だ。

今年は以上になります。

クリーピー(ネタバレに特に配慮しません)

なんで観る気になったのかよくわからなくて、なんとなくおもしろいんだろうなと思って観に行ったらあなた、ってハナシー。もうぐっだぐだです。

前情報なしだったので、前半はどうなるんだろう、とか、そもそもこれはホラーなのか、サスペンスなのかとドキドキはする。でもこれからくりがあって、殆ど終始といっていいぐらい、暗くて不穏な音を鳴らしっぱなしなんです。(どうも後から調べた感じでは黒沢清監督の手癖みたいなもんらしいけど)極端に光のコントラストをつけるのもそれを手伝う。尋問(ではないけど)中、追い詰める状況になると真っ昼間なのにどんどん暗くなる、みたいなのね。で、これは時間経過ですぐ慣れます。慣れたらもうそれが普通です。ドキドキしません。

さらに後半がまずいのが、犯人つうか、もうそれはわかってるだろうからネタバレでもなんでもないですよねってことで、香川照之なんですけど、彼の行動原理も実際やってることもその裏付けも無茶苦茶でまったく説得力がない。わけがわからないから怖いということにもなっていない。ただただアホらしい。それを、ああ、あの人ならできるのかもってできるとしたら演技による勢いだけだけど、さすがの香川照之いうてもそこまでのもんではないですよ。ていうかアンソニー・ホプキンスでも無理ですよこんなん。

まず初手ですけど、その家なんですか?宇多さんがこれをフレッシュな表現としてて耳を疑ったのだけど、こんな家ないですよ。ってね、異常者がその趣くままに作ったっていうならいいんですよ。でもこれ乗っ取りなんですよね。てことは乗っ取った家の人がもうキチガイじゃないですか。それをふーんとは流せませんよ。

で、その異常な家に、どいつもこいつもガンガン入っていく。おれだったら、踏み入れてあんなんなってたらとりあえず逃げますね。ダッシュで。おれだったらって書いたけど、普通逃げるって。逃げないまでもちょうビビるって。誰か呼ぶって。で、あんなとこ入って殺されたっつっても、そんな不思議じゃないよね。今にも殺されそうだもん。だから驚けない。

東出くんはさ、免許と本人が違う時点で確信してるはずだよね?即応援呼ぶところじゃん。なんで入っていくの?怒らないから教えて?これは笹野高史さんも同じですね。天丼だからもう笑いどころですね。で、穴に落っこちて、手差し伸べられてほっとした顔しますよね。あなた香川照之を犯人と疑ってる立場ですよね。動くな!っていうところじゃないですか?なんで手取ってんの?あれは実は犯人は香川照之じゃありませんでしたっていう以外ないやり方ですよ。

次ですね、もうどこから手つけていいのかわからないぐらいなんだけど、娘さん、藤野涼子さんの話しますか。他が全員薬でやられてるのに対し、この子だけしらふで従ってますね。なんでですかね。仲良くふるまってるのはなんで?ってトレーラーの時点での疑問ですよね。これ、わかりません。いや、洗脳を受けてっていうんでいいんですよ。でも、ちょいちょい反抗するし、致命的なリークを試みますよね。最後なんてざまーみろって言いますよね。なんなの?マジで。じゃあお前が警察に言ってりゃ(この二件については)なんも問題なかったろうよ。お前が助けてくれって逃げ込んだから西島さんは通報したんだよね。で、事実として香川照之は家主じゃないんだよね。じゃ、自分が呼んだのでなくても警察が来たならそう証言するところでしょう。それで解決じゃん。トレーラーで出てた、「あの人お父さんでもなんでもありません。知らない人です」ってすげえキャッチーだけど、それなのに成立しちゃうロジックがないなんて信じられないよ。で、警察も普通あんだけ意味分かんない状況なら誰かを連れて行く前にとりあえず話聴かせてくれってなるでしょう。だって、香川照之が通報したにしても、それがどういう内容であったにせよ、現場の警官にはなにがどうなってんだかわかんないじゃん。急いで連行する必要もないし。例えばどこかでケンカになってね、ムカつく相手を通報して、ちょっと怒らせたところに警察到着するようにしたら何も訊かずにガラ持ってってくれんの?ってことじゃん。もうシュール系のなにかとしか思えない。

流れなので警察の話もうちょいしますかね。ど頭、まだドキドキしてたし、期待もあったんで流したけど、連続殺人犯を取調中に凶器つきで逃がすって。99.99%ありえないよね。そんなことがあったなら、それこそが最大の謎として映画のテーマになりえるよね。この犯人主役だよね。ハンニバル・レクターだよね。で、逃げてから集まるの早いねー(つぶやきシロー風)。撃つのも早いねー。

あと、撃つといえば香川照之が持ってる銃がシグなんだけど、これは警察が使う銃じゃないですかね。トカレフマカロフにしておけばまあ流したんだけど、シグが一般人のもとにあったら説明が要ると思います。多分なんも考えてないよね?そういう雑さぼくは嫌いです。

あとなに、東出くんが殺されたあと、残されたPCに香川照之(というかそれがなりすましてる人)を調べてた形跡があるんだよね?どスルーですか?消したの?どうやって?東出くんに借金があったみたいなこと言ってて、つまりそういう情報操作ができる人なの?じゃそもそもそのなりすましてる相手の情報も書き換えろよ。金の力でどうにかしたの?にしては乗っ取った家の預金がなくなっちゃって困るみたいなこと言ってて、金が余ってる感じはしなかったんだよね。なんでもいいんだけど、説明しろや。流せねえよ。

えー今度は竹内結子さん。そもそもなんですけど、めっちゃ気味悪がってたのにシチュー持っていくのなんでだろーなんでだろー。惹かれる要素一個もないよね?描いてないよね?ていうかそんな相手にそんな大量のシチュー余ったから持っていくってのもなかなかサイコっぽいよね。で、いつのまに薬打たれたの?まああの謎の薬と道具ならどこでも打てるだろうけど、あれ他の人みんな打たれた瞬間わやじゃん。でも普通に行動してるよね?

ていうかその薬なんなんだよ。シャブとかじゃないよね?ぼくのかんがえたさいきょうのくすり、だよね。依存性が高くて、打った瞬間自我がなくなって、打った人のいうことしかきかなくなるなんてすごいねー。それいくらすんの?どこで買うの?無限にあるの?

まだまだいくぞー(劇中セリフ)。川口春奈さん、三番目に出てくる名前なのに、実質話に関係ありません。香川照之が巻き起こした事件の直近の犠牲者というだけで、彼女の言うことはなにも話に影響してません。ただ、西島秀俊が異常だということの説明のための装置です。意味なさすぎて可哀相です。マジメに考えれば、なんで彼女だけは免れたのかって重要じゃないですか?いなかったらちょうどいい?なにが?藤野涼子さんはめっちゃ従えてるのに?顔も見せてないの?どんな状況なのそれ。

その三軒の家がコの字になってる状況がってなんだったの?そこも説明しないの?最初に書いたけど、香川照之の行動がわからないの。お前藤野涼子の母ちゃん撃ったよな?ていうか川口春奈家全滅させてるんだから、おそらく最後は手くだしてるよな?さっきのその薬なんだよって話に繋がるけど、なんでそれで、犬が邪魔?ぐらいで?一番やばい相手に拳銃を渡すの?ていうか自分で言ってるけど銃ちょううるさいよね。山奥でもない住宅地でそれやらせる?ナイフでもなんでもよくね?

で、西島さんはそこに至るまでに、薬を打たれたのは狙いなの?とりあえず香川照之は自分じゃ手をくだせないっていうロジックはまったく崩壊しているんだけど。狙いじゃないの?竹内結子がやっぱり裏切ったの?じゃ最後はなんなの?どっちなの?それ書いたとおり藤野さんもそうなので、お前らホントわけわかんない。

藤野さんちが日野だっけ、で、川口さんちが稲城だっけ?近場で済ますなおい。調べたところ、日野に確信がないけど、両方多摩中央署なのかな?そこまでのことすんなら管轄(都道府県)ぐらいまたぎたいねえ。まあ川口家の死体隠すのも隣の家とかだからもうあんまもの考えてないのよねこの人。隣殺す意味わかんないし。隣殺すなら藤野さん殺せよ。この雑さで何件こなしたのかね。運がいいね。運がいい人は怖いかもね。

あ、隣殺す意味として、唯一入れ替わった可能性に気づく人ってのがあるんだけど、それってかなり根本的な問題で、どうしようもないよね。それ言い出したら引っ越す度に周り皆殺しにしないといけないじゃん。今回なんてとってつけたように他人に関心がないっていう人なのに。で、そのおばちゃん、関心がないって言っておきながら鬼だの人の心がないだの漏らすあたりブレブレ。

根本的な話、これ北九州のあれが下敷きなんだよね?なら上手いこと人心を操るそのテクニックの怖さにしなきゃダメじゃん。なのにすごい薬とそれを簡単に打てる道具でしたーってドラえもんかよ。もう全然怖くないよ。そんな薬ないもん。それを実行するために薬は当然そうだけど、拳銃とか車とかまあもろもろ結構な金かけてんのよね、この人。そこまでするメリットあんの?ってぐらい。北九州のは手練手管だけだから徒手空拳でもいけるし、もしかしたら身近にいるかもって恐怖になるんだよ。

細かいことだけど、逃げるとき車のナンバー取るのなんで?フレーム削ってすら意味ないんだけど。おまけにそれを隠匿する理由がない。そもそも、隣の家で住人と、何故か刑事が一緒に、ガス爆発なんてわけのわからん死に方してて、逆の隣の一家が失踪するんだよね。その真ん中の家をその死んだ刑事が調べてた痕跡があるんだよね?めっちゃ面も晒してるよね。自分から通報までしてるよね。なにをどうしたって詰みだってそんなん。

最後は妻に裏切られて薬打たれたけど、さいきょうのくすりには弱点があって、サイコ(香川照之と同類)の人には効かなくて(そんな説明一切ないけど)、(やっぱり理由はわからないけど)効いたフリして従って、わざわざ手錠かけられて、手錠かけるってことは信用してないのに、香川照之は犬が邪魔だなーだけど自らの手は汚したくないなー散々殺してるけどやだなー君撃って?って手錠外して銃を渡す。で、やられる。竹内結子藤野涼子も散々裏切ったり手伝わなかった割にそれを喜ぶ。とってつけたように、その夫婦は一見仲睦まじいようだけど実は崩壊してました。理由は夫もサイコだからです。でいいですか?

宇多さんこれはクソ映画ですよ。普通にレビューするのは違うと思います。クソをこんなクソなんだってゲラゲラ笑う楽しみみたいなものもあるので、イコールつまらないわけではないけれど、あのレビューで観に行ったのなら、騙された!って憤るところです。

好意的な筋を見ると、基本黒沢清監督のファンなんですね。おれはこれがはじめてなんでどの程度マジメに観ればいいのかわからなかったってのもあるかも。

とにかくちょっと例を観ないレベルのクソ。一言でいってバカのドミノ倒し。最低。森田模倣犯を軽く上回る。オススメ!

TOO YOUNG TO DIE(配慮もしてるけどネタバレがないわけでもない)

はっきりと酷評です。

全然おもしろくない。これをいうと映画ってなによ?って話になりますけど、映画になっていません。プロットはギリとして、演出、編集が、強いて言うなら舞台のそれ。

笑いが殆ど属人的かつ出落ちなので、キャストを見ることがネタバレ。文脈の読めない人にはきついし、20年と言わず、10年で大半が意味不明になるのではないかしら。いっこだけバラすけど、皆川をそう使ったらもう映画じゃないじゃん。そういうリアリティは放棄するのね、ってことじゃん。

宮藤官九郎の絡んだ映像作品で、脚本を酷いと思ったことはないので、これは監督としての力量不足です。

脚本、プロットにも不満は多く、一つだけ書くと、7回ルールっている?とりあえずそれでいろいろ台無しですよね。うまく人間でよみがえれてもカウントされるんだから、いつか必ず地獄エンドじゃん。そこになにか希望あるの?そもそも地獄に落ちる線引きがあやふや&地獄から天国にはまず行けないわけで。なんで動物で死んだら即地獄なのかも説明つかんよね?なんも悪いことしてないというかできないんだから。てことはどこかのタイミングで地獄になったらまず地獄エンドなのよね?で、落としどころが地獄サイコー!ってそれしかないし、つまんなくね?

あと、音楽がすごく大事な映画だと思うんですけど、ここが足りません。too young to dieはまあいいです。しょうもなさもひとつの演出でしょう。ただ、天国、これはダメ。一聴してすげえ名曲ってならないといけないのよ。そのために現世への未練を断ち切るほどなんだから。少なくともlet it goじゃないといけないのよ。さもないと潮が引くように興味がなくなっちゃう。

向井とKYONOの名前がちょいと見えましたが、向井は向井だからいいのであって、こういう機能を求められる案件に応えるような職業作家では全然ないと思います。

最後に一つだけ褒めます。ボンジョビっていう笑いどころがあるのですが、このためにチケット代払ったと納得することにしたぐらい笑いました。

あ、あと尾野真千子の死神は個人的にツボで、すごく可愛く魅力的でした。

以上です。

フラワーカンパニーズ 47都道府県ワンマンツアー「夢のおかわり2016」 at 恵比寿リキッドルーム 7/2

ちゃんとまとめて書く余裕がなくてこんなに経ってしまった。まだ余裕はないのだけどさすがに月内には書きたいので。

なんと武道館以来のフラカン。久しぶりすぎる。あれだけ盛り上げておいて、東京の公演がこんなに少ないってのも残念だけど、その分他回ってるのだから仕方ないですね。

この日一番の驚きは竹安です。すごくちゃんとしてる!自分の番になったらちゃんと喋る、のみならず、圭介が詰まったところで助け舟を出したりして、なんというか、ステージに貢献しようという前向きな姿勢が感じられた。コーラスも多分これまで以上にちゃんとやってたし、ジレを衣装にするってのも、前さんのオーバーオールや小西のツナギほどでないにしても、キャラ付けはあった方がいいと考えたのでしょう。武道館から意識が変わったのかもしれない。素晴らしいです。感動しました。

セットリストもよかった。巡り合わせみたいなもんだけど、個人的にはやって欲しいけどあんまりやってない曲をたくさん聴けて嬉しかった。唇なんて武道館用のミニに入ってるやつだけど、すごく好きな、70年代ハードロックみたいなフラカンの違った一面の聴ける曲。他にももろもろ。薄い影なんてレアらしいね。

目玉は深夜高速。ただの深夜高速じゃない。MCで圭介が楽曲提供をよくしているという話からのその対象のひとりである夏木マリをゲストに呼び込んでのスペシャルバージョン。いやーよかった。続けて圭介が夏木さんに提供した曲。基本的に夏木さん癖がすごいんじゃの人なので、あまり歌詞は聞き取れなかったのだけど、それは失敗じゃないぜ、だったかな?そこにぐっときました。

翌日はフリースタイルダンジョンのモンスターズウォーの放送観ないといけないから諦めたけど、基本被りなし(そしてゲスト無し)っていうから本当は観たかった。オーバーサーティーのみんなはもっと、観たことないなら一度はフラカン観ましょう。大人ならではのぐっとくるっていう感覚を味わえますよ。

  1. 馬鹿の最高
  2. この世は好物だらけだぜ
  3. 恋をしましょう
  4. 消えぞこない
  5. はぐれ者讃歌
  6. It's Only Roc'kyun'Roll
  7. 夜空の太陽
  8. 感じてくれ
  9. 薄い影
  10. 元少年の歌
  11. 深夜高速 with 夏木マリ
  12. マグダラのマリア with 夏木マリ
  13. 発熱の男
  14. 三十三年寝太郎BOP
  15. NUDE CORE ROCK'N'ROLL
  16. マイ・スウィート・ソウル
  17. YES, FUTURE
    en1
  18. 青い吐息のように
  19. ロックンロール
  20. 俺たちハタチ族
    en2
  21. Good Morning This New World
  22. サヨナラBABY

韻踏合組合 夏の陣2016 ~REAL GOLD~リリースツアー at CHELSEA HOTEL 6/5

フリースタイルダンジョンの流行なんて吹けば飛ぶようなペラいもんだなーと思わされる客の入り。てか、韻踏が単独やろうってのにこの箱って時点でもうお察し。ライムスとかTBHみたいに直接関係ないものとして活動してるならともかく、ERONEが審査員、HIDAがチャレンジャーで出てきてるのに、って考えたら。アルバムも出たばっかで、一網打尽はリミックスで盛り上がっているように見え、クラシックになったのかと思ったこのタイミングでねえ。最低でもクアトロ、できればリキッドぐらい埋められないと先がないよ。なんもいえねえ(流行語

ライブ自体は文句なく最高でしたよ。その一網打尽だけでなく、前人未到とか揃い踏みみたいなマイクリレーの決め曲全部盛りぐらいで楽しかったし、Y'Sゲストで釣りに行くみたいな、ちょっとはずしたのもあった。

日本語ラップ界の空洞化現象ってのがおれなりにあるんだけど、今度書きます。

アイアムアヒーロー(ネタバレなし)

まず、おれにはそのジャンルっていうだけで基本的に敬遠するものが4つあります。リアル宇宙もの、タイムリープもの、記憶を失うもの(記憶喪失ではない)、そして、ゾンビものです。

ではなぜこれを観に行くことにしたのかという話ですが、ちゃんと読まないことには(そして終わらないことには)断言できないけど、マンガアイアムアヒーローはお話としての決着を用意している、ある意味ゾンビ物へのアンチテーゼでもあると思っているのですよね。なので映画にもそこを期待したのだけど、ということです。

ここでおれが感じているゾンビ物、そうカテゴライズされるための要素ってものが肝心で、大雑把にいっちゃうけど、概ね発生原因がよくわからなくて、噛まれる等で感染して増殖し、遅いの速いのバカなのそれなりに賢いのと種類があって、頭を潰されないかぎりは動く、というもの。

ここまで共通で、「考えるな」で済ませればいいんだけど、殆どの場合そうはいかないというか、その増えていく過程と恐怖こそが見せ物であるわけです。となると、日常(舞台、キャラ説明)→発生(ゾンビのタイプ説明)→増殖(恐怖、パニック描写)が全て必要で、それだけで映画だと1時間強はもっていかれる。

ていうか、なんなら主人公(たち)が命からがら逃げた先で、既にある程度の対応策をとっているチームがいた、ってとこまでセットじゃないですか。さらにそこで既存の価値観では優位に立っていたものが異常な状況下でそのピラミッドが危ういってとこまで大体あるじゃないですか。様式美ですよね?多分。

つまりお話の介入する余地が少ない。さらに言うと、映画WWZなどの例外はあれど殆どが破滅エンドで、どう解決するのかっていう興味には応えない。いかにも形をなぞっているという思われるZアイランドにもそれは表れている(逃れたところで終わってもいいのに、アレを足すわけだから、様式として求められるものなのでしょうという判断)。

余地が少ない、ではまだちょっと不足かもしれない。まず間違いなく破滅であるというのが前提になると、逆にまったく緊張感がなくなるのです。カッコいい自己犠牲があったとしても、いや、いうてもあいつとあいつ、加えてもしかしたらあいつが助かるだけで後は死ぬんだからどうでもよくね?と思ってしまうのです。

話戻ってアイアムアヒーローだけど、タイトルからしても、英雄の成長ってのは大きな主題なのだろうし、ペラ読みでもそれなりにいろいろ起きてはいるよう。だから、先に書いたように、プラスアルファを期待したのだけどやっぱり典型的なゾンビ映画でしかなかった。これは非常に残念だった。

大事なのは、おれがゾンビ映画を好きではないということで、この映画がダメというのでは決してありません。ほとんど突っ込みどころもなく、盛り上げどころも十分あり、楽しいものなのだと思います。ゾンビが嫌いでなければ。

いうても楽しめたのは、有村架純がバカじゃねえの?やんのかコラァ!!っていうぐらいかわいかったからだと思います。役者陣はみんなよかったけど、それはもう突っ込みどころなしって書いたから。や、ウェルメイドだと思いますよマジで。

追記

タマフル聴きました。本筋ではなかったけど、宇多さんよりWWZの終わりは酷いという言葉がありましたので、やっぱりそういうことなんでしょう。

あまり映画を観ない人に今観に行くならということでズートピアとこれを勧めてたけど、心底どうかと思います。様式に則ったゾンビ映画はゾンビに興味がなかったらおもしろくない。なぜだかゾンビ好きの人ってこれが(心の底では)わからないことが多く感じます。

追記2

原作読み追いつきました。仕方ないけどここまでくるともう完全にミスリードというか、映画観て理解したのとはまるで違う話だよね。マンガおもしろいですよ。映画もこれはこれでいいものだけど、関係ないものだと思った方がいいです。

追記3

ものすごく遅れて、自分でこの記事読んでて思い出したので書きます。マンガのエンド酷かったです。ならもう映画のこれでいいです。

ズートピア(後半でどうしても気になるツッコミのためにネタバレしますが、区切りはちゃんとつけます)

まず、基本的に絶賛です。特に劇場でってこともないけど、乗るしかないこのビッグウェーブだと思うし、多分それなりにロングランになるでしょうから、せっかくだしいかがでしょう。

教科書的といってもいいほどかっちりと作り込んだシナリオをさらにブラッシュアップしつつも、ケレン味、イヤ味は残すことできれいすぎるものにしないというところまでの高次元な隙のなさ。

しかし、ネットに溢れている、メタファー解説については大いに苦言を呈します。これについてのおれの意見は真逆で、製作者が腐心したのは、これは~のメタファーと断言できないようにすることだと思います。

肉食獣はアメリカの黒人のメタファーですか?羊はプアホワイト?それで説明つきます?つきませんよ。黒人がアメリカを体力によって支配していたなんて歴史はないでしょう?そもそもズートピアにおける肉草の割合は1:9なんですって。裏があることを否定もできないけど、であればまず、単純に数が少ないのだから、要人やインテリが殆ど草食っていうのならそんなの当たり前のことです。ていうか要人って言える存在って市長、副市長、署長ぐらいしか出てきてませんよ。さらに言えばキャスターはユキヒョウです。つまり、そんなこと特に触れてないんです。仮説が当てはまらないなら諦めればいいものを、名誉白人まで言い出すともう陰謀論ですよそんなの。

メタファーということ自体はそうなんです。ただ、それはこの社会のこの問題の、ということではなく、日本人と在日韓国人かもしれないし、スンニ派とシーア派かもしれない、どこにもあるような様々な偏見や無理解の、です。これはあれのメタファー、これはあれの、すごいすごいって言っているひとは、評価をしているようで矮小化しているのです。きっとそんな限定した話はしていない。

そして、もちろん、ギャグ、ユーモア、ウィットの部分は別です。例えばレミングスはもうリーマンでしょうね。かなりどぎついネタだと思いますけど、この辺の正しくなさが、逆に風通しを良くしているという宇多さんの指摘には全面的に同意します。

まっさらな気持ちで、それなりにネタバレを避けていけばまず楽しめると思います。という意味ではあまり語れることもないので、そのうち補記するかもしれないけどこんなところ。

所謂作家性に頼らず、理屈理屈、技術技術で突き詰めた、プロダクトとしての映画という意味で、これに限らずディズニーピクサー作品が評価されるのは、個人的に乗り切れないものを感じつつも理解はします。ただ、で、あるならばおかしなところはあってはいけないとおれは考えます。その意味で、どうしても解せないことがあったので、それを以下にゴリッゴリのネタバレで書きます。

 ここからネタバレを大いに含むツッコミ

ドライバーのブラックジャガーが、副市長一派によって凶暴化させられますね。その後、ジュディたちに繋がれた彼は、市長の一派に連れ去られます。これはおかしくないですか?

このシークエンスにより、犯人は凶暴化を招き、連れ去る存在であるとミスリーディングが行われます。しかし、実際は違い、凶暴化は副市長の、隠匿が市長の思惑であることが後にわかります。さて、どうして市長はあそこでブラックジャガーが凶暴化することを知っていたのでしょうか?知っていた、とまでいうのは、即座に、警官たちが到着するまで(5分10分ですよね)にブラックジャガーの身柄を押さえるだけの人員と車を用意していたということになるからです。だからそのミスリーディングが成立する。

更にいうと、本件は、失踪事件であり、凶暴化事件ではない。凶暴化事件であると知っているのは厳密には副市長だけ。市長は保身のためもあってか、理由はわからないけどとにかく隠匿しなければという立場。では、どうやって一件目を押さえたのでしょう?押さえなきゃいけないと思ったのでしょう。警察も知らない(警察は動かせないどころか知られてもいけない存在なのだから)。そして、その一件目だけで、対象が肉食獣なのだと何故言えるのか。言えるだけの理由がないならなぜあんな大規模な施設を用意し、人員も手配できたのか。

市長は副市長から、ジュディが失踪者の捜索に動く報告は一応受けていたわけで、不都合な事実を突き止められたら困るから見張らせていたら「たまたま」出くわして、「たまたま」人数や道具や車も揃っていたからイレギュラーとしてすぐ対処できた、など、無理やりですけど説明できないこともないです。

しかしそんなこといったら警察では同じ動きを正式に複数チームでやっているわけで、それ全部に同じ対応してたのか?ていうか見張ってどうするのか?見つけそうになったら邪魔するのか?ていうかていうか市長からしたらどこで発生するかノー手がかりなわけだから、対処療法にもなりませんよね、などなど。

だから、これを副市長がもくろんだ時点で、本来市長(というか広く肉食獣)にはノーチャンスの案件です。なのに発覚しない。副市長はおかしいと、なんなら焦っていてもおかしくない。だから、ジュディをけしかけて、その目の前で凶暴化を起こすというのはおかしなシナリオではないけれど、それが効果的なのは誰だかわからないけど邪魔するやつがいるのだから、なら発見者もこっちで手配してしまえというところなのに、それでも即時対応される。なんですかこれは。

そもそも、狙いが肉食獣には凶暴化のリスクがあるとアピールしたいのであれば、もっと町中で、真っ昼間にやるよろしという話も。なんで面倒なマフィアの知り合いなんか、夜の車中で狙うかな。

ということで、この疑問は看過できません。とはいえ、ちと余計なことを考えていた時間帯もなかったとはいえないので、見逃したこともあるかもしれません。だから、勘違いですよ、という指摘は歓迎ですので、どこでもやってください。探します。

人間交差点 2016 5/15

Creepy Nuts

このために朝からお台場へ。宇多さんがラジオで言っていた通り、同じような人が沢山いて初手から結構な入り&盛り上がり。

20分という短い時間でみんなちがって、合法的、トレンチコートマフィア、そして聖徳太子フリースタイルと求められるものはきちん出してきた。持ち弾自体そんなもんなんだから100点でしょう。1MCにありがちな声の薄さを松永がだいぶ補っていたのも良かった。Dさんがこの前にライブを観て、おれら(ライムス)負けてるぞって言ったらしいのだけど、それはさすがにないとしても、今の子にとってのライムスなのではとは思う。

ちなみにRが聖徳太子やるのと同じぐらいの尺、松永にもスクラッチショータイムがあった。かっこよろしい。これだけ皿回すの上手くて、服は洒落てるし、顔も結構しゅっとしてるし、代官山でレギュラーのパーティー持ってたっていうし、クリーピーの音源ももちろんそうだけど、ライムスに提出を求められるぐらいのトラックメイカーなのに26歳童貞って、お前むしろモテない要素ないだろ。どれだけ闇深いんだよ。ボスもびっくりだよ。

SUPER SONIC

ごめんなさい。おれタローダメなんです。歌い上げるタイプのラッパー。

RIP SLYME

ここから本番で40分。いうても40分。短いよなーと思ったけど、その分、よくいえば遊び、悪く言えば自己満足の選曲が減る。メモってないので怪しい記憶頼みだけど、楽園ベイベー、ファンタスティックのスーパーキラーチューンをかましてるし、JOINTも多分人気曲。プラスおそらく気候を鑑みての熱帯夜。まあ、文句なし。ひとつだけよくわからないのが、Watch outをやったんだけど、これR25で1曲しか持ち時間ないのにやった曲なんだよね。この日もこの短い時間につっこんでくる。リップとしては取り立てて言うほどの曲じゃないと思うんだけど、彼らのとってはなにか特別なのかしらね。あのフリがやりたいだけなんじゃないか疑惑も。

三浦大知

曲名などは記憶しておりません。歌もダンスも素晴らしく、No limitが聴けたのも嬉しいけど、特別好むタイプのアクトではなく。

KOHH

ルックスはすごくいいと思います。が、音楽、というかトラックが好きじゃないです。ので、ラップ自体の評価も難しく。

あとでりょーじくんが言ってたけど、SUさんはKOHHに恋してるそうです。

OZROSAURUS

ある意味本日一番のお目当て。その週のフリースタイルダンジョンでOGのライブが流れて、これは生で観なければと急いでチケットを取った次第。

そのOG、その前の曼荼羅といった、現編成での曲はまあいいです。期待通りカッコよかった。問題なのは、この編成になったというニュースに接したときに一番懸念した、好きだった過去曲が姿を変えたり消してしまうんじゃないかということ。これは杞憂でした。多分彼ら自身もそういう懸念は理解しているのだと思う。AREA、WHOOOといった、特に古い、しかし圧倒的な人気曲をこの編成でかましてくれたのだけど、バンドは単純にプラスアルファでした。少しも元のカッコよさを損なっていない。いやー、いいもの観た。これはバンド好きの人にも響くだろと思った直後、サマソニ出演が発表された。相変わらず呼び屋としてだけはセンスがいい。

MONGOL800

本日一番の何故?枠。Rのモンゴル800っていうワードを含む、とびきりのフリースタイルで呼び込み。

ここ、基本ヒップホップのフェスなのに、なにこの通りっぷり、人気。小さな恋の歌で、キヨサクが思い切ってソロ明けを全部客に振ったら会場大合唱。いや、ホントすごいよ。しびれた。カッコいい。

流行りか景気か能力かなんか知らんけど、こういう、ジャンルを問わずみんなが歌える曲っていまかなり少ないよね。

LECCA

ごめんなさい。レゲエもあまり得意じゃないんです。でもSky is the limitが聴けたのは大きいかな。

さかいゆう

多分3回目なんだけど、毎度毎度、最初あーソウルとかだなーとちょっと眉間にシワが寄るのだけど、あ、これは好きだなって曲がちょいちょいあって、終わる頃には結構満足してる。いい加減CDを買って普通にファンになるべきなのかもしれない。ジャスミンって曲がよかった。

サイプレス上野とロベルト吉野

ここも時間が少ないからか、通りのいい曲+ライムス(宇多丸)ゲストのお家芸。サ上もロ吉もステージングが上手いよね。とりあえず呼んどけ感ある。

一点かなり不思議だったのが、オープニングSEがBatteryだったんだよね。KOHHも物販のTシャツがメイデンで、君らメタラーなの?

ゴスペラーズ

それなりに楽しみにしてたけど、ライムスでいい場所取りたいので少し離れて。

ここも短い時間で、しかもちょっとアウェイの現場だからかこれなら知ってるだろセット。とりあえずおれは永遠にと、どうせやってくれるだろうのポーカーフェイスが聴ければそれで満足だったんだけど、振り付けとか楽しかったし、ファイルレコード所属直前の昔話からのランナウェイとかも嬉しかった。

爽やかに流したけど、ポーカーフェイス、ついに聴けたって感じですげえ感動してたんですよ実は。ずっと歌ってた。

RHYMESTER

トリ。いい意味で相変わらず特別いうこともなく、ただ、持ち時間は他と変わらないはずだったのに、1時間やったね。そうこなくちゃね。

ゲストはPUNPEEでPARKと、さかいゆうがコラボ曲とアマチュアのセッション。

そして、最後、新曲!!スタイルウォー。ビートはワタ坊。すげえカッコいい。曲もカッコいいけど、フリースタイルバトルの盛り上がりの中、自分たちの立ち位置を高らかに宣言するような曲。無視も迎合もしない。これがライムスターである。

フェスとしての評価

何度も書いたけど、40分ていう、最初短いと思った持ち時間は実は結構絶妙。セットがいい感じになるし、ちょっとだけ食い足りないぐらいってのも悪くない。あえて絡みのあるメンツを集めたんだろうけど、レアなライムスゲスト曲もたくさん聞けて大満足。

会場はアスファルトなので、季節もあって暑いのだけど、何箇所も日除けテントや休憩所があって、地獄感はなく、これは大変素晴らしい。

飲食も不足なく、ライムスメンバーがそれぞれプロデュースしたという、特別メニューも楽しかった。ちなみにDさんがビールにコーヒーリキュールとオレンジピールだったかな?のカクテル。宇多さんがデリーに可能な限り近づけたというドライカレー。JINさんがベーコン、唐揚げ、ビーフそれぞれ×2の串。全部堪能しました。
割と近いということもあって、これは多分来年も行くね。初年行かなかったのも後悔しているよ。

ちはやふる 下の句(ネタバレかもしれないことも書くけどそんなに気にしなくても)

上の句が気に入ったので、初日に観てまいりました。

その上の句については以前書いた通り。

roberto.hatenablog.com

前提として、日本映画流行りの、前後半制についてはよく思っていません。そして、これでもやっぱりそのよくないところがばっちり出てしまったと思います。

スタッフが同じなのだから当然ともいえるのだけど、引き続きちゃんとしてます。致命的といえるような欠点はない。しかし、上の句から通算すると4時間にもなる長尺なので、同じことをやっていたのでは飽きるのです。例えば絶賛されてたマッドマックスでも、あれが更に2時間続くと考えてください。さすがにあの作劇法では無理があるでしょう?それをやってしまっている。ちゃんとおもしろい!っていう、ちょっと失礼な驚きも、キャストの再現度も、原作の再構成のうまさについても、すべてもう知っていることであり、むしろ今度はそれらがハードルの高さとして立ちふさがります。その点で、今作は、単独としたら観られるものでしょうけど、少々厳しいです。

引き続き機能したものもあります。肉まん君、矢本悠馬のケレン味です。数少ない原作から味付けを変えているポイントなので、その点だけでもこの飽きる問題に対しては有効なのだけど、やっぱりここは矢本悠馬のもつ空気でしょう。これがなんとか興味を繋いでくれる。そして、繋いでくれた場を締める大きな存在として、今作最大のポイントである、松岡茉優の詩暢ちゃんが登場。

これはもうナッシンバット完璧です。スチルの時点で見せていた説得力をさらに上書きする怪演。可愛く、美しく、強く、そしてあたまおかしい。ルックスもさることながら、セリフ回し、かるたの取り方、いずれも文句なし。出てきた時点で画面とお話が同時に動く。場内で一番笑いが揃ったところも彼女の力でした。正直下の句は蛇足だと思うのだけど、やらなければこの詩暢ちゃんが観られなかったわけなので、かなりの痛し痒し。

一本の映画としてはオススメできるものではないけれど、上の句を観て、もっとこのキャラたちを観ていたいと思った方にはちゃんと応えているものだと思うし、矢本、松岡のおかげでそれだけではないものになったとはいえます。

以下、少々ネタバレともいえる、脚本、演出のダメ出しです。原作にあるから、という答えのものもあるかもしれないけれど、あくまで一本の映画として。

新にかるたをやめさせたくないというのはわかります。だけど、それとクイーンに個人で勝つってこと、どれだけ関係あります?少なくともおれにはまったく何を言っているのかわかりませんでした。もちろん、とりあえずはそれでもいいんです。それなりの理由であったり、無茶苦茶であったことがあとで明らかになったりすればいいんですから、手はいくらでもあります。そして、この映画では後者寄りのやり方を選んでいます。ただ、それが間違いだ!ごめん!ってなるロジックがまったくわかりませんでした。どう間違えていたのかわからないし、なぜそれが間違いだと認識したのかもわかりません。何故わからなくなってしまったのかというと、千早の出稽古先の北央で、太一に諭されるシークエンスがあるからです。その前から太一が千早の暴走に気づいていて、苦言を呈している描写があります。そして、その極めつけともいえるのがそのシークエンスで、あそこで千早が折れたなら、暴走の理由がただの純粋な意味の分からない勘違いで、それを太一のおかげで気づけた、ということがいえます。しかし、千早はそこで拒絶します。するとどうなるか。ただの勘違いではなく、視聴者や太一の考えの及ばなかったもっと深い理由であるか、もしくは千早にとって太一が重要な存在ではない、もしくは両方という見え方になる。で、少し話が進んで、勘違いは意味の分からないまま、須藤の語る、伝統の話で打ち砕かれます。えええ!?より直接的なチームメイトの話を、幼なじみであり、主将、現役の理解者である太一の言葉は響かなくて、いろんな意味で他人の言葉は聞くの!?なんで?そしてなんでそれが新がかるたをやめることの解決になるの?君の悩みってなんだったの?とわけがわかりません。でたらめだというよりは、わかるように作劇されていない、ということです。

また、それに関係するのだけど、この映画前後半通して、原作よりもチーム感に重きを置いているように感じます。で、この下の句でも最終的には個人戦であっても、いや、だからこそ絆みたいな落とし所になっている。それはいいです。ただ、これを言うのに、二本柱になっていて、ひとつはこの千早の、新にかるたを続けてもらいたい話。もうひとつが、太一の、もう一皮むけない話。で、前者はギリいいとして、後者の解決として、新の言う、一番楽しかったときをイメージするというのが出てきて、この二つを新をキーマンにして結びつけています。これがまずい。君ら(太一、千早)の一番楽しかったときってのは、幼少期ということでいいんですか?いま、一緒に戦ってくれている肉まん君、机君、かなちゃんではないんですね?太一君、あなたは今のチームを軽んじている千早を批判していますね?であるならば、ここで思い出すべきは初めて今のチームがまとまったときであるとか、もしくはそういう話とは関係しない、初めて札を取った喜び、とかではないですか?おかげでクライマックスで試合に出ていない3人が手を繋いで絆をアピールしているのが、少々空回りに感じました。君らはそうでも、どうもこの二人はより大事なものがあるみたいよ?みたいな見え方。しかも、その肝心のチームの戦いである団体戦は千早が参加してないわ、結果どうなったのかよくわからんわで、かなりおざなり。と思ってたら、個人戦こそ団体戦?ここに不整合を感じて気持ち悪いのです。

もう少し細かい話。参道の真ん中は神様の通り道という話。先生にそれを言われた直後にほぼノータイムで詩暢ちゃんが、それも割とさらっとそこを通ります。わかります。原作にあるのも知ってます。ただ、映画的にいうと、その間、演出の軽さのいずれも、ややダサく感じます。さらに割と直後に、会場入りする詩暢ちゃんが階段の真ん中を、ものすごくダサいカッコで通ります。ほぼ天丼です。伏線まいて直後のその短時間に2回?って思いました。個人的にはダサいカッコだからこそ、それでも何故かにじみ出る凄みみたいなのフィーチャーで、後者の一回にした方がよかったのではないかと思います。もしくは、もうちょっと間をあけるか。

最後に、これは結局の話前後半通してのことにもなるのだけど、上の句と比べると、下の句の話の落とし所は曖昧です。前述のように、絆の説得力がないことが一番大きいのだけど、前後半っていう設計の難しさです。上の句がこけたら下の句はもっとひどいことになるので、必然的により力をいれないといけないのは上の句です。そのために上の句で、後では使えないエピソードを沢山捨てています。例えば襷の件とか、先生が徐々に理解を示し、決定的に味方になる件とかすべて下の句ではいまさらです。ちょうどよく配分したら両方よくなるかもしれないけど、これは仕方のないこと。だからいい映画にしたかったら前後半やるなとしかいえません。

さらに、続編決定とは。耳を、目を疑う光景It's OKです。原作でも(おそらくはこのマンガの肝であった)群像劇的なステージは終わり、おそらくもう締めにかかって、今度こそ千早がクイーンに挑む件に絞られます。ギミックとして使えそうなのも名人周防のところだけで、それも詩暢ちゃんほどまでに美味しいキャラではありません(ヤロウだから)。それでも監督の手腕や、役者陣のがんばりを見るに、期待できないこともない。ないけれど、それを聞いたときの率直な感情は、嫌悪です。

繰り返します。キャラクター、原作再現ものとして大変優れていて、素晴らしき詩暢ちゃんも出てくるし、その意味では観て損はありません。しかし、お話としては残念ながら蛇足です。上の句で十分まとまっていたものを尻切れトンボにしてしまいました。