シン・ゴジラ(ネタバレなし)

ネタバレなしはお約束しますが、本質的にはわかってたら楽しめないというタイプの映画でなく、何度観てもいいものだと思います。公開初日に観ましたが、既に二度目の券を買ってあります。つまり、絶賛。公開が終わったらネタバレ込みでここがあそこがすごいって話を書こうと思いますが、とりあえず今はここを読んでくださった方が、100%楽しめるように配慮しつつ、全力で応援するものです。

 結論じみたものから先に書きますが、これは日本の総力です。日本そのものといってもいいかもしれません。

座組を見て欲しいんですけど、とりあえず主演級の名前の大きな3人。ここは普通に日本映画主役級です、が、まあ東宝がやるんだからそのぐらいは普通です。注目したいのは、それ以外の出自です。所謂人気俳優はおいといて、乾電池(柄本明)、大人計画松尾スズキ)、新幹線(古田新太)、カクスコ(中村育二)と有力劇団のトップが名を連ねます。犬童一心塚本晋也と監督が並びます。ANI、瀧という、日本音楽界屈指のぼんくら2トップがいます。モデル筋としてはマニア受けだった(すみません)市川実日子がいます。ああ、なんてサブサブカルカル。田口トモロヲがいないのが信じられません。原田知世とまではいかないまでも、麻生久美子でもいれば完璧だったのに。

ここに各省庁や大学の協力が加わります。正直言って、言ってることの意味がわからんというか、正しいのかどうか検証しようする気すら起きないのですが、とにかくものすごい勢いでいろんなものが襲ってきます。オタク的突っ込みを勢いで封じます。

で、そんなこと書いてちゃぶ台返しますけど、ポイントはそれだけの名前を並べて怪獣なんて好き者向けのもの作っておいて、そういう映画じゃないってところです。直球ど真ん中で楽しませにかかります。2時間弱、一瞬たりとも休まる暇はありません。カッコいいと笑い、おもしろくて笑い、ドラマに泣きで、ずっと何かしらの感情がわきおこり、心のジェットコースターやーとなります。

このサブサブカルカルな座組を、よりにもよって庵野秀明がしきったものが、ど真ん中のエンターテインメントなんです。伝わるかわかりませんけど、なんて感動的なこと。

もちろん、これだけの数ですから、殆どの名前は一瞬です。誰もが何かの貢献をしているということではなく、キャストは3人以外一律ですけど、貢献度にはものすごい幅があります。例えば倉敷保雄という方が大好きなのですが、今日までツイッターを見る限り、一人もみつけられていません。他にもそんな人いますけど、それも楽しんで欲しいので書きません。

ああ、ネタバレしないとなると、ばしっとした文章になりません。ただ、ひとつだけはっきりと言えることがあります。

これは、私の人生で一番おもしろい映画です。

そして、日本が好きになる、いろいろひどいこともあるけれど、捨てたもんじゃないって思える映画です。

それが日本の総力と書いたところでもあるのですが、であればこそ、これを経済的にも成功とする必要があります。私はパンフだけでなく、グッズももりもり買ってきました。今週も行きます。5回は行くんじゃないかな。

ぼちぼちネタバレ的なものもにじんできているし、まずは一回お早めに。これ以上に大事な用事などまずありません。いいから。いいから。