2017年振り返り

今年よかったアルバムのまとめ

1位:Prophets Of Rage/Prophets Of Rage

バンド名は冗談みたいだけど内容は大マジで、RATMのグルーヴそのままに乗っかるラップが変わっただけ。それも凡百のラッパーならザックが恋しくなろうってもんだけど、レジェンド級が二人。これ、センもいたら声質が低中高と揃うしよりよかったろうになー。
プロフェッツ・オブ・レイジ

プロフェッツ・オブ・レイジ

  • アーティスト: プロフェッツ・オブ・レイジ,トム・モレロ,ティム・コマフォード,ブラッド・ウィルク,カールトン・ライデンハワー,ルイ・フリーズ
  • 出版社/メーカー: Hostess Entertainment
  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: CD
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2位:ダンサブル/Rhymester

これが出たら入るのはまあ当然だけど、そういう決まりごとってわけでもなくやっぱり最上に素晴らしい。全10曲のコンパクトさにあって、5点満点で5でなく4をつけたのがフューチャーと細道という、シングル、MV曲だけ。それも相対的にって話で、単独としては5ですし。ひたすらにキャッチーでグルーヴィー。梯子酒を作れるのはここだけでしょう。
ダンサブル(初回限定盤A)(Blu-ray Disc付)

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3位:KICK!/Kick The Can Crew

お待ちかねの復活作。こちらも全10曲捨て曲なしのキック節全開。千%のバッカゲン感とか、計算もさすがで、年が年ならナンバーワン級。
KICK! (初回限定盤)

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4位:CRACKLACK/Scoobie Do

まず、先行の”Ensemble”と”Cold Dancer”のキラーチューンっぷりがヤバイ。才能とパフォーマンスのポテンシャルが爆発している。なんとこれも全10曲で捨て曲なし。
CRACKLACK

CRACKLACK

 

 

5位:花水木/GADORO

四畳半の方で当落線上だったのが、この短期間で出た2ndでランクイン。”背中”にガチで天才を感じた。引用しよう。
 
あんたの腹から 俺が生まれたっていうことはおそらく何億分の一かのはずれくじだ そのくじはもう二度と回せないと知りながら当たりだと信じ俺を養ってくれた
 
仇すらも恩で返すぶっ飛んだ優しさ突き放し罵声を投げかけた骨の髄までしゃぶりついた母の脛 平凡な人生それがあなたの夢
 
なんかありゃ察する不可解なテレパシー 親父を黙らせる生粋のバトルMC
 
あと金返してくれ 楽にはさせねえ元気でいてくれ
 
というかほぼ全部がすごい。初手で泣いてしまった。マジかマジなのか。表現としては小説だけど、押韻がなされていて、これは歌だ。日本語ラップのアートフォームとしての可能性がまだまだあるのだと叩きつけた。
KOKを制したバトルマスターが音源でここまでのレベルとは。TBHにすら劣らない凄み。最上位のトラックメイカーであるPMXが、同郷のよしみなのか全面的に参加しているのもこれを名盤化させた。

 

花水木

花水木

 

 

6位:ROLL ON 48/フラワーカンパニーズ

ライブハウス限定の先行シングル”あまくない”が中年に刺さりすぎる。
夢見て夢に汚れ いつか歌も消えて 舌に苦味が少しだけ残るよ 明日は黙ったまま 呼んでも呼んでも わめくぞ 届いてなくても
曲もすげえがなんだこの歌詞は。ちょっとそこらのラッパー直視できる?圭介(フラカン)だからこそ歌える曲だけど、自己表現として最上だと思う。
やはり捨て曲なし。涙こらえて真顔じゃ聴けない。

 

ROLL ON 48

ROLL ON 48

 

  

7位:FUTURE!/筋肉少女帯

いつも通りでないところに、オーケンの曲がない(まさか”オーケントレイン”も違うとは)。ということで4人作家の凄さってのはちょい落ちるんだけど、その分というかうっちーがすごい。歴史的大名曲”エニグマ”を聴いてください。おそらく世界中のどのバンドでもこれは作れない。筋肉少女帯そのものだ。
あと、”3歳の花嫁”が個人的事情をもって泣けて仕方ないのです。

 

Future! (初回限定盤A)

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8位:ULTIMATE SACRIFICE/Galneryus

バカみたいにテクニカルなスピードメタル一辺倒。信念を感じる。ここまでやってどれも一緒にならないのは技術が故のアイディアによるものでしょう。日本語詩を基本にしているのもいい方向。 
ULTIMATE SACRIFICE

ULTIMATE SACRIFICE

 

 

9位:pacific daydream/Weezer

今年も出して、なんかむかつくんですけどちゃんといいし、こういうものを検討するときにどっちがいいデキかって考えたらどうしても上にきちゃうんですよね。なんでお前こんないいポップソング作り続けられるんだよ。
ただ、Weezerとは、みたいなこともちょっと思うぐらい、音像としてはソロっぽい。
なにもかもどうでもいいというぐらいジャケットがいい。歴代一を伺う勢い。

10位:The Iceberg/Oddisee

 意地で入れたUSラップ。トラップ全盛のなか、おもしろい音の組み合わせでグルーヴを作ろうという、おれの好きになったビートメイキングが嬉しかった。Q-TIP的というか。実にインテリジェンスを高く感じる。

 

The Iceberg

The Iceberg

 

 

その他

漏れたのを列挙。これは正直6位以下にはどこに入ってもよく、最後まで入れ替えていたところ。

軌跡 /DJ KRUSH

Style/高橋徹也

MODERN TIMES/PUNPEE

ULTRA HARD(DVD付)/ラッパ我リヤ

Culture/MIGOS

Mellow Waves/Cornelius

SHINJITERU/ハナレグミ

熱唱サマー/赤い公園

Will to Power/Arch Enemy

今年は難しいと書いた去年以上に難しく、もう無理レベル。P様を落としていいということにしてやっとまとまった。

ラップが特に難しくて、上記以外で、Oddiseeだけなんとか残したけど、DrakeとかLamerとかEminemとかJAY-Zとかようもまーってぐらい出してくれた。そこに日本勢が餓鬼、韻踏、Meisoあたりを加えてくる。

PORとWeezerは残ったけど、BECKBjörk、ノエルアニあたりの90年代の残党もね。

こうなるとBAD HOPとかゆるふわギャングあたりはかなり早い段階で消える。

幸い(?)過去作ほどよくなかったのがトリプルファイヤー、Converge、Mastodonといったところでしょうか。

そんなこって。