おまけのいちにち(闘いの日々)/筋肉少女帯

1年で出てきた通算17枚目、再結成後で5枚目のアルバム。

実は前作SHOW MUST GO ONはそんなにはまってなくて、大概ライブを観るうちに理解が進むもんなんだけど、タイミングとかそもそもあんまりやらなかったとかあって、1回しか観られていないのです。その1回も一番好きな”恋の蜜蜂飛行”をやってくれなかったし。

さて、では分析して何が一番ひっかかっていたのかと考えてみると、おそらくその蜜蜂とゾロ目以外に橘高様式美を楽しめることがなかったからじゃないかと思う(その蜜蜂をライブで聴けてない身としてはなおさら)。つまり、逆にオーケン、おいちゃん曲が弱かったと。実は逆説的に、橘高様式美(主にソロ)を一番楽しめるのって橘高曲じゃないんですよね。違うテイストの曲に異質な様式美が乗るから際立つという面があると思う。

で、今作だけど、オーケン以外の3人でほぼ均等に割り振られている。つまりオーケン曲がない。これはこのバンドのすごさであり、おもしろさなんだけど、4人が書けちゃうというか、4人も書けちゃうので、バランスが一定しない。そして一番バランスがよくて、それぞれのデキもいいっていうのが、おそらく最高傑作と名高いレティクル座なんだよなー。実はバラバラな作風なのに、橘高様式美で統一感が出るってのが最高の形。

 ということでってわけでもないけど、橘高ファンとしては、橘高曲がやや多めなのは嬉しいとしても、やっぱりそれ以外がちいと弱いなと言うのが印象です。

ちなみにうっちーもいい曲を書くのだけど、これは異質すぎて橘高テイストがのりにくいこともちょっと目立つのよね。今作はそれかなーと。

とはいえ、これ贅沢な話で、アルバムとしてみたらすごくいいです。箸休めの程度もちょうよくて、構成がしっかりしてて最後まで通しで聴きやすい。

一番好きなのは”球体関節人形の夜”だけど、多分じわじわ後からトップレベルに好きになりそうなのは”別の星の物語り”。最初オーケン曲かなって思ったんだけど橘高曲。こういうJ-POPとか歌謡曲然とした曲、珍しいね。

あと、最初おいちゃんが歌ってるし、歌詞も歌詞でなんじゃこりゃって思った”LIVE HOUSE”もじわじわ好きになってる。インタビュー読んだところ、昔からあるけどちょっとバカにしてた曲らしい。でも今聴いてすごくはまったとかで筋少に採用したらしいんだけど、なんだかそれすごくわかる。この純粋な感じ、歳取ったからこそくるのかも。