小麦断ち日記(13)
なんとなく書くの忘れてて今になってしまったけれど、ピロリ菌の除去は成功しました。ってところでそれを聞くためだけの診察に2時間近い待ちをくらってしまい、次のその結果を報告しなきゃいけない漢方の予約時間に間に合わず、その後予定の調整がなかなかうまくいかないのとおっくうで次の予約を取れないまま1ヵ月以上が経過してしまいました。
相変わらず基本小麦は避けていて、とはいえ出先等でどうしても食べるものに困ったらそういうときまでは我慢しないというスタンスでなんとかやってます。それで劇的に体調がよくなったということもなく、とはいえ以前ほど吐き気に悩まされることも減ったのでまあいいかなあというところ。
多分これとは関係なく問題なのが、最新の健康診断の結果を見たところ、これまでずっとオールAだったのが、胃腸でBの慢性胃炎という診断が出てしまった。長く吐き気の原因がわからなかったのに、そう言われればそれが原因じゃんと思わないこともなく、問題の切り分けが非常に難しくなった。更に、年齢も大きいと思うけど、物を食べるのが大変につらくなってきていて、特に昼は食後しばらく消化の苦しみで仕事がままならないほど。そういうときに小麦を避けてると、うどんと蕎麦(なかなか十割はない)がダメなのは非常に厳しいですね。
体調が悪くてグルテンフリーに興味を持ってここ読んでくれてた人には申し訳ないけど、こんなところでひとまず区切りとします。まあ、効果があまりない(人もいる)というのも一つの有意な結果なので、参考のひとつにでもなれば幸いです。
聖飢魔II/地獄の再審請求 at 日本武道館 2/19
正直なところ、その前までの全席死刑ツアーのセットリストがあんまり(曲数が少ないのにとにかくキラーチューンがない。エルドラドすらない)だったので、相当に悩んでいたのだけど、まあ、行ったら行ったで楽しませてくれるだろうし、いうても武道館なんだからお祭りセットにしてくれるだろうという期待もあって行ってみた。
行ってみたいうても簡単な話ではなくて、先行も一般もとにかく取れない。取れる気配がない。敗れる端からヤフオクに高額出品され、もうこれはダメだなと思っていたのだけど、直前になってこの金曜日がメチャクチャダブついて、結局2階席とはいえ半値以下で落とせた。終わってから見たら落札されずに流れたのも多数。主催はこのクソ高いチケット(10k)が完売して、転売屋が損しただけなのだろうけど、なんだったんだ。
さて、果たして本編はというと、見事にお祭りセット。行ってよかった。”The End Of The Century”で始まった瞬間これはキタと感じ、蝋人形や林檎の小芝居もちゃんとやってくれ、”ELDORADO”で締める完璧な構成。
なんだけど、正直やっぱり演出の時間が長すぎると感じてしまうのは否めない。3時間やって15曲ってさすがにちょっとねえ。
演奏はもちろんだけど、やっぱり閣下の歌が超絶。人間ここまで歌上手くなれるものかねってレベル。これであのしゃべりなんだから、不世出のスーパーエンターテイナーですよ。
演奏はもちろんと書いたけど、実は、聖飢魔Ⅱで唯一惜しいと思っているのが参謀で、ちゃんと上手な人なんだけど、あまりに閣下がスーパーなのでそれに見合うほどかっていうとちょっとだけ疑問。ここが橘高様とかSyuみたいなスーパーだったらそれはもう完全無欠なんだけど、まあ、それは無い物ねだりでしょう。参謀のパフォーマンスや作曲能力なしにはこの聖飢魔Ⅱはないわけだし。
ライブ本編には関係ないけどちょっと気になったこと。30年やってこられたのはブレてないからだと閣下はおっしゃいましたが、”戦う日本人”とか”有害ロック”とかブレッブレだったと思いますよ。曲としてあんまりカッコいいから許容されるというか請われすらするけど、”MASQUERADE”の歌詞だって「それ悪魔?」って思ってました(ちなみにそれも参謀の惜しいところで、作詞は任せない方が良かったと思う)。で、なんか二の足踏んでライブいかないうちに解散しちゃった感じでしたよ。
さて、35周年はありますかね。なんかふれちゃいけないのかってぐらい話にあがらないけど、長官がいなかったのはやっぱりちょっと残念。メイデンよろしくトリプルギターで全部やって欲しい。
- 聖飢魔IIミサ曲II番 創世紀
- THE END OF THE CENTURY
- DEMON'S NIGHT
- 悪魔の讃美歌
- JACK THE RIPPER
- 蝋人形の館
- 怪奇植物
- FIRE AFTER FIRE
- GO AHEAD!
休憩 - アダムの林檎
- 秘密の花園
- WINNER!
- BAD AGAIN ~美しき反逆~
- BRAND NEW SONG
- EL DORADO
13月のゆうれい/高野雀
縁あって同人誌から読んでいる作家さん。だもんで感想を書くのもちょっとむずかしいところがあるのだけど。
これよりもその前の低反発リビドーに顕著なのだけど、この方の一番読んでて刺さるところは、日常のどういうところを描写するか、またはしないかの線引き。それとその深度。オブラートに包まず具体的にいうと生理的な話。セックスだけでなく、オナニーやら生理用品やらを、そのものを登場させることなく、必要以上に生々しくしないようにしながらも確かにその世界に存在させ、そして、我が家では夫婦共に読むのだけど、その両方がんなこたあないとならないだけのリアリティがあるのがすごい。あとがきからも人の話を聴くのがお好きなように感じられるので、そういう資質が活かされているのだと思う。
さて、今作だけど、正直なところまだタイトルの意味はわからない。読む前はファンタジーものに手を出したのかと思ったけど、(多分)そんなことはなくいつもの高野節。(例えばルフィってキチガイだよねというぐらいの意味での)普通の人しか出てこなく、心地よい程度に都合のいい人々が軽妙な会話を繰り広げ、お話がほんのちょっとだけ動く。
今作がちょっとだけ違うかなと思ったのは、割とすっきりするところがある。いつもはどうしようもないことはどうしようもないし笑っとけ笑っとけみたいに流すところかなーと。
初の続き物ということでこれからも楽しみ。とにかくこれまではこの人たちをもっと見ていたいのにーってのばっかだったから。
かげきしょうじょ!(!!)/斉木久美子
すごい作品に出会えた。 久しぶりにどっぱまり。ヅカ(的な世界)のスターを目指す少女たちのお話。
表紙で気になったのだけど、これがジャケ詐欺でなく、中までしっかりこのクオリティ。ヅカ(的な世界)の話なので、基本全員痩身の美少女という描き分けの難しい世界なのだけど、それを見事に成し遂げている素晴らしい画力。みんなかわいくてみんないい。
お話の組み立ても大変に上手で、ストレスとその開放のバランスがいいので、読んでいて気持ちいい。例えば、ある少女は人間嫌いなのだけど、それには誰しも納得の理由がある。そして、その回想シーンは結構えげつない。理由がわかることはすっきりになるんだけど、掘り下げすぎると別な話になってしまうという、難しいミッションを軽くこなしているので、これはすごいなあと思った次第。そういうのが大筋とは別にいくつも走るので、未だに退屈知らず。
なにより上手だと思うのが天才描写。一応主人公であるところのさらさはご多分に漏れず、選抜の中に入ると落ちこぼれという体なのだけど、輝く資質を見せないと話にならないので、これが随所にある。その全てがなんというかズカ(的な世界)においては間接的で、出自によるところなんだけど、これは読んでのお楽しみ。とにかく上手いの一言。
なお、一応タイトルが1,2巻から変わっているけど、ジャンプ改でやっていたものが、廃刊に伴ってメロディに移っているだけなので、特に途切れておらず、続き物と考えていいです。ただ、一応読み手の質が変わるだろうから、不安もないわけではないかな。
特撮 大槻ケンヂ 50th生誕祭! ゲスト筋肉少女帯 at 赤坂BLITZ 2/7
まず初めに大きな勘違いをしていた。これが筋少のステージ上で発表されたのを聞いたとき、てっきり対バンなのだと思い込んでしまったのだけど、当日長谷川さんが昼に別のイベントを入れてることに気づいて、あれ?と思ったら筋少は本当にゲストで、数曲一緒にやる止まりだった。とはいえ、アルバムがとてもよくて、その週はそれも含めて特撮ばっかり聴いていたので、途中であ、これ特撮ワンマンだとわかったのは嬉しい方の驚き。
そして、実は特撮をちゃんと観るのは多分初めて。
オーケンは本当にセトリを組むのが上手い。もちろん考えてやってるんだと思うけど、それだけではこうはいかないだろうというセンス。50歳記念ライブという体ではあるけれど、タイミング考えたら普通に新譜ライブでもある。っていうバランスが、新譜旧譜の割合とか、筋少を混ぜる度合いとかで本当に見事。なにも不満がない。新譜は本当にいいけど、やっぱりオム・ライズとかヌイグルマー、綿いっぱいの愛を!あたりは外してほしくないし、できることなら林檎もぎれビーム!もってのが全部かなった。
林檎もぎれビーム!は野音で絶望少女隊揃えてやったとき(小林ゆう画伯だけ不在)も観ててそれ以来なんだけど、精神的に厳しい時期で、ちょっと気色悪いけどあの歌に救われてたみたいなところがあったのでね。「あいつらにだー!!!!!」って叫ぶカタルシスや、最後「さーいーこうぜー」って励まされるようでぐっとくるとか、そんなことを思い出して少々涙ぐむ。
ここでちょっとギターの話をさせてもらうと、NARASAKIのギターって割と普通なようでちょっと独特で、KORNとロスロビンソンが作ったモダンヘヴィネスの音はパクられまくって、そのうち定番にまでなってしまったのだけど、それをNARASAKIのように細かく早いピッキングで鳴らすってのは実はそんなにない。重いんだけど、歯切れがいい。ないものねだりをすれば、この上で橘高様がソロを弾くのを聴いてみたいなあというのがかなったのがこの日。正直なところ、ゲストだからか橘高様の音圧がいつもと比べると全然で、物足りなくはあったんだけど、それでも嬉しかった。
それにしても、強く歪んだギターにオーケンというエグみの強いボーカル、エディのクラシックピアノと、これだけの共通項がありながら全然別な音楽になるんだからおもしろいよなあ。
ウインカー/特撮
相変わらず素晴らしい。基本好きなので、大裏切りはしないで欲しくて、メロディと歌詞だけで変化がつけばそれでいいのだけど、果たしてその通りのデキ。非常に重いギターにクラシックピアノが乗るいつもの特撮。捨て曲らしきものはなし。いつもよりはメロディアスな印象が強いかもしれない。そういう意味ではオーケン推しの筋少ファンの期待にも応えている。
かようにある程度安心のブランドなのでここから聴いてもいいし、他から聴いてもいいという薦めにくさ。贅沢な話ではあるのだけど。
今作ちょっとおもしろいなと思ったのは、メロディアスなギターソロが2曲あって、そのうちのひとつ、”7人の妖”がこれ、BOOWYだよね。そのソロも含めて。
たりないふたり/Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)
フリースタイルダンジョンで知名度を上げているR-指定の新音源。その前にR-指定名義でのアルバムは出ているけれども、それは正直彼の魅力の半分も出せていなかったので、それほど期待していなかったというか、そもそも買うつもりもなかったのだけど、やはりフリースタイルダンジョンで聴いたリードトラックの”合法的なトビ方のススメ”がちょっとソロとは違うなと感じたので買ってみた。
果たしてこれは素晴らしく、R-指定というラッパーのおもしろさが存分に表れている。Rに変わったところがあるわけじゃないので、これは音を作っているDJ松永の貢献が大きいと思われる。そのDJ松永のトラックはいたってシンプルなもので、全く今日の流行りではない。だが、それがいい。この違いはまた今度書く。
変わったところがあるわけじゃないとは書いたけど、変わらず素晴らしい。
いざというときは
高級イタ飯サイゼリヤ
皆のユートピア
ミラノ風ドリア
こういうラインを書く若手はおれは他に知らない。R-指定という人は、何も知らずに、イメージだけで日本語ラップを揶揄する全てへの「違うんだ!」なんですよ。リップは好きだけど、他の日本語ラップに殆ど興味を示していなかった妻が、フリースタイルダンジョンを観るようになり、R-指定のことははっきりと好きだと言っている。そういう存在なんですよ。
あと、これが大きいのはバトルMCの音源はつまらないという風潮に一石を投じる作品になっているということ。これ、異論はあると思うけど、バトル観てカッコいいと思った人が求めているものを提供できているMCが少ないってのは言えると思う(それはそれでカッコいいとしても)。78年組(漢とか般若)あたりまではそんなことなかったと思うのだけど、これもトラックメイカー問題と合わせて今度書く。
いうても理由を明確にせず嫌いという人たちが聴いてくれるとも思えないけど、せめて日本語ラップが好きなあなたは是非聴いてください。この値段で5曲が安いとは思えないかもしれないけど、全部いいですから。
小説 響け!ユーフォニアム/武田綾乃(アニメ劇場版が控えているのでネタバレに配慮する)
アニメがとても良かったのでという後追い組。終わってすぐ買って積んだんだけど、なかなか手を出せないでいたのを一気読み。
これは良いジュブナイル。王道の部活物としても優れているので、アニメが気に入った人が大丈夫なのはもちろん、未見の人でもそういうのが好きなら楽しめるのではないかと思う(読まないだろうけど)。
非常に文章が瑞々しく、若いうちにしか書けないものだと思う。ベテランでは上手い作家でもこれはできない。今の高校生がどんな感じでデジタルデバイスを使っているのかとか、女子高生が靴下をどうしてるのかとか、話の筋的にはどうでもよく、想像で書いてもまあどうにかなることだけど、ついこの間までそれだった人が書くのは説得力が違って、安心して没頭できる。これおっさんだからその程度だけど、主な読者であろう若者たちにしてみたら、ありえないようなことが書いてあったらものすごいノイズになるだろうからとても大きい。
こう、自分が近いところを体験してるかってのは大きくて、どんなに取材したって、ここに書かれているような(一流のプロではない)吹奏楽部の描写なんてできないんだよね。完璧なアンサンブルっていうのだったらCDやコンサートでいくらでも勉強できるけど。そういうその(種の)人にしか書けないことって貴重だし、読む価値残す価値があると思う。濃い特殊な体験をして、しかもそれが時期を選ぶもので、そしてそれから間を置かず、みずみずしいうちに、文章を書く能力のある人が、っていうの、なかなか得難いことだよ。
技術的にも問題なく上手。一つだけ気になったのは、(食べ物を)咀嚼って言葉をよく使っていたけど、これは個人的にはしっくりこなかった、ぐらい。
ちなみに、アニメは1巻のところできっちり区切れているので、なんなら2巻からでも大丈夫。そして、4巻は4巻というか外伝みたいなものだし、正直いうと書かぬが花みたいな、本編で物語のスピードを削ぐからと切り落とされた部分を集めたようなものなので、お話らしいお話はなく、特にオススメはしません。この1冊で14本とかなので、どれも短く食い足りないし。誰のとは書かないけれど、コイバナの結末がひとつ載っているので、どうしても気になる方はどうぞ。
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ODD FUTURE/中島佑
第68回ちばてつや賞の大賞。
これはうまい。絵も好感度の高いものだけど、バランス感覚に優れているのが一番の武器だと思う。
家田君というキャラが特に顕著で、誰がどう見ても好感のもてる青年なのに、その主人公に対する感情が、ネガティブにならず、主人公を周りから説明する見事な道具になっている。これはちょっと記憶に無いタイプのうまさ。今後を楽しみにしたい。
話には殆どからまないけど、女の子を可愛く描けるのも高評価。あの子が可愛くなかったら説得力がないからね。てことで男前もアイドルもぱっとしないのもおばちゃんも描けるというのは強みかな。中高年男性はどうかな?気になる。
とりあえず無料で読めるうちはこのリンクを貼っておく。
にしても、この間の秋谷弥潮もそうだし、この辺にはまだまだ才能が集まってくる印象がある。でも、少年誌はなあ。若い作家さんたちが描きたくなるような紙面作れてないんじゃないかしら。
パディントン
最初に書いておくと、おれはクマが大好きで、これを観ることにした理由の90%を占めます(ちなみに残り10%がクマの声をベンウィショー君がやっているからだけど、それはあんまり重要じゃない)。そしてクマは思っていたとおり、とてもかわいい。しかし、それを強調するとこの映画の本質を見誤るので、ここではもう書かない。
こういう映画の難しいところだけど、クマがかわいいのとお話はまああんまり関係がない。関係がないからお話はお話できちんと成立させないといけないのだけど、さりとて可愛いを看板にもってきちゃっている以上、どうしてもそのために尺をとられる。この映画は本当にそのバランスが見事で、お話が本当にちゃんとしていて、え?なんで?みたいなところがなく、全てがしっくりと、納得いくようにできている。物語中毒であるところのおれでも、十分満足行くだけの物語があった。
まずいきなり見事というか、唸らされたのが、序盤の駅シークエンス。かわいいだけの映画かどうかは、しゃべるクマというファンタジーと現代の現実世界のすり合わせをどう乗り切るかにかかっていると思っていたのだけど、これをそこ一発で済ませてしまった。だから一家がクマと接するところでも、オーケーオーケーそういう世界なのね、と受け入れていたのでなんの違和感もなかった。この時点でこの監督は信頼できると確信。
前述のとおり、全体的にちゃんとおもしろいお話になっているのだけど、それ以上にこの映画がすごいのは、伏線回収。それっぽいのは全部拾わないと死ぬ病気なの?というぐらいの執念。こっちがそうと認識してないレベルまで拾うから、あれがこうなったのか!ではなく、あれは伏線だったのか!と驚くことの方が多い。
基本子供向けなんだろうし、ちゃんとそうできているのだけど、一緒に観る大人が大人だからこそ楽しめるような(主に笑いの)ネタがたくさん散りばめられているのにも感心した。一箇所周りをはばからず、声を出して笑ってしまったところまであった(警備員二人の本当にしょうもない会話)。
あと、画と音のデザインも見事。本当にきれいにまとまっていて気持ちいい。こういうところまで徹底的に拘った、ディレクティング力の結晶。
萌えて、笑えて、呆れて、ジーンとくる。この時点で2016年のベスト候補になることは間違いない。
是非劇場で!というものでもないんだけど、もし子供時代に金曜ロードショーなんかで観てたら一生のフェイバリットになる、そんな映画。