マンガ大賞2017について
今年の受賞作は聞いたことのないものだったのですが、小説が題材だということと、それで高評価ということならおもしろそうだなと既刊分(6巻まで)をまとめて読んだところ、ちょっと驚きなほどアレだったので少し書きます。
高評価のコメントをいくつか読んだところ、天才と凡人を描いたもので、その描写が素晴らしいというようなことでした。そこで、まず一つ目の疑問が生じます。それはなにか特筆すべきことだろうかと。むしろ、逆に天才を用いずに物語るほうが難しいぐらいではないかと。
例えばタッチ。上杉達也は天才です。バトンを受け取ってからは努力もしますが、それでも大変な努力家である和也よりも才能だけで上にいけると匂わせる描写が初期からなされています。
スラムダンクはどうでしょう。桜木花道は初心者ということをネタにしますが、それでも練習量で補えない身体能力をもち、リバウンド王としてチームに大きく貢献します。それで弾かれる(3年間努力した)メガネ君からしたら本当はたまったもんじゃないです。
サンデージャンプと挙げたのでマガジンにいきます。はじめの一歩では主人公も天才ですが、鷹村というより上位の天才を置き、そことの比較においては凡人ということもやっています。
これだけで伝わると思うのでやめますが、天才が主人公であることは大変よくあるというかむしろ普通です。また、凡人との対比ということであれば、メガネ君はものすごくおいしいところをもっていきますし、青木と木村もそうですね。凡人の悲哀と、それでもそこへの愛情や、やりがい、生きがいみたいなものが描かれています。
響はやはり主人公が天才ですが、他はその才能に屈服するという件だけで進みます。周りは全員主人公との差に打ちのめされるだけの存在です。もうええっちゅうねんというぐらいそれだけを繰り返します。では、どう天才なのでしょう、というところに興味は移ります。
圧倒的な文章力を持つそうですが、その説明は全て周りのリアクションです。題材選択の問題ですが、マンガであらわすのが難しいことがいくつかあります。音、味がすぐに思いつくところでしょうか。スポーツであれば、豪速球やものすごいパンチを描写します。対して、音や味はそうではありません。いろいろな作家ががんばっていますが、やはり基本周りのリアクションです。それだけにそこは勝負どころ。例えば美味しんぼで地元の鮎を食べた京極さんなどが典型でしょうか。士郎の鮎を美味いとしながら、理屈じゃ説明のつかない圧倒的な、かつ絵に描けない味というものの違いを表現しました。花咲アキラは画力のある部類の作家ではありませんが、あれはおもしろい表現だったと思います。
さて、小説はどうでしょう。文字ですからマンガで書けます。そもそもそれをやらないのかよという時点で大変に失望しました。何故概要を読んだだけでおもしろそうだと興味をそそられたかといえば、そのままマンガに書けてしまう題材だからです。音や味のような工夫をする必要がないのですから。おお、そこに真っ向から挑むのならやる気を買おうってなものです。
もちろんリアクションを勝負どころとしてもいいです。しかし、響では、その後どうなるかに違いはあれど、全員ただ唖然とするだけです。それならそれで、唖然のなかにもバリエーションをもたせたり、一枚の絵として叩きつけることも考えられます。読んだとき脳裏に浮かぶ心象風景を迫力描写するというのもおもしろいかもしれません。しかし、残念ながら絵がお世辞にも上手いとはいえません。福本伸行のように、書く内容の味があって初めて評価される、よくいってヘタウマでしょう。
主人公と比べれば凡才とされた作家がどの程度のものなのかもわかりません。昔はすごかったとか、ふわーっとしたことしか書いていません。その権威付けはことごとく芥川賞です。ほかなんかないの?ってぐらい芥川賞です。芥川を取らなきゃ作家じゃないのかってセリフがありましたけど、そんなこと言ってる人いるんですか?とりあえず祖父江のモチーフのひとりであろう村上春樹は取っていませんし、現芥川審査員の島田雅彦も取ってません。本当に考えを持って文壇をテーマにしたのでしょうか。そこを周五郎だの野間だのすばるだのいうことで文壇うんちくマンガとしての側面もあったかもしれませんが。つまり、小説という題材を選んでおきながら、それがマクガフィンでしかないんです。バクマンは読みましたか?
今(6巻)ではラノベ、アニメの方向にも響いちゃう、ということのようで、その前が直木賞と芥川賞ダブル受賞ですか。ものすごいぼくのかんがえた感。興味のない(薄い)題材にずけずけ入ってきているという印象が強いです。どうせならタイガーショットでネット破ってくださいよ。スカイラブハリケーンで空飛んでくださいよ。
他にどこが評価されたのでしょうか。その分野においては圧倒的な才能を示すものの、人間的に欠落があるというキャラでしょうか。殺し屋1がそうですね。殺しという粗暴な行為なのに泣き虫。奇しくも同じ殺し屋でいまやっているファブルもそうですね。1ほど極端な立たせ方はしていませんが、微妙ながら決定的なずれをよく描いてあると思います。響の場合、すぐ暴力を振るったり屋上の縁に立ったりと、自分や人(の身体)に頓着しないところですかね。それはいわゆる普通のやべーやつで例を挙げるのもアホらしいです。欠落のある人間が友情で変わる(自分はいいけど、友だちが傷つけられるのは許せない)という流れでしょうか。やはりそれ自体はみるべきことと思えません。
唯一、ちょっとおもしろいなと思ったのは涼太郎の静かなサイコっぷりですかね。あれが、響が職業作家=普通の女の子でないものになるのを阻むため、何の心もないけれど理屈だけでものすごい小説を書いて響を潰す、とか、ここにだけはおもしろい展開の芽があるように思います。いうてもそれもあるあるなんですけど、そもそも新しい挑戦である必要はないし、圧倒的な画力である必要もありません。ただ淡々と地味なテーマを描くのだって素晴らしいことです。家栽の人とかがそうでしょうか。しかし、私はこの響という作品に真っ当な意味では興味をもてません。正直なところエントリーすら疑問なレベルで、なんでこれが票を集めたんだろうという興味だけです。
基本、未読で気になるものを教えてくれる賞ぐらいにしか考えていないのですが、ここまでズレられれると他にも懐疑的になってしまいます。
最後に、これはまったく個人的な趣味の話になりますが、今年は星野、目をつぶって。がエントリーさえされていないところに絶望を感じました。トップ10の中からいうなら断然アオアシです。
以上です。
MM誌の日本のヒップホップ・アルバム・ベスト100について
日本語ラップのベスト100という企画で、それだけのことは特別悪いとは思っていません。しかしこれはちょっと拙いのではないかと感じたところに、叩かれているという話もいくつか読んだのでちょっと気になるところを。
叩きは今まで虐げられてきた者の怨念のようなことではないかと書かれていた選者がいらっしゃいました。MUSIC MAGAZINE誌は日本語どころかラップ全般に冷たい雑誌だったようだし、バカにしてきたくせに流行りだからっていっちょかんでんじゃねえみたいなこともあるのかもしれません。しかし、それは私の感じる問題ではありません。
前提として、投票の集計結果としてのランキング、賞(本屋大賞、CDショップ大賞、マンガ大賞)にはいい感情をもっていません。やりたければやればいいし悪いことではないけれども、そう簡単に有意義なものにはなりませんよと。
しかしやりようはあります。なにをどうしても漏れるものは漏れるわけですが、ポイントはそれを論議の基にできるか、ただの不満になってしまうかで、やりかたがまずければ後者が増えるということです。それはおおざっぱに、構造の問題、企画の問題、人材の問題に分解できると思います。
①構造の問題
投票者が多ければ多いほどですが、テイストは薄まります。志向がバラけたなら、誰もが押さえなければいけないと感じるビッグネーム、話題作が残りがちで、大勢ではないかもしれないけど、これが好きな、これこそを求めているという人はいるみたいなものは確実に埋もれます。実験作や問題作みたいなものがそうなりがちかと思いますが、その性質故に好きな人の強い反感が考えられます。これはもう宿命として受け入れる他なさそうです。
②企画の問題
漠然とベストっていったらなにをイメージするでしょう?売上だって立派なベストだし、金字塔、分岐点といったものもそうかもしれません。そんなん知るか!誰がなんといおうとおれはこれが好きなんだ!だってそうでしょう。各自のそれは興味深いランキングになります。しかし、その意識合わせのないものを集計したらいけません。意味がわからないものになります。しっかりとしたコンセプトが必要不可欠です。有名なうんちゃら大賞も大体これはきちんとしています。
③人材の問題
企画をきちんとしているのに、うんちゃら大賞は大体おもしろみのないものになります。それが人材の問題です。例えば2011年の本屋大賞は謎解きはディナーのあとでですが、ノーエクスキューズで考えられません。確かに直木賞に残る可能性はなく、そういう作品に日の目をというコンセプトには合致しますが、おえらい先生方には認めてもらえないけれども、埋もれるには惜しい、(たくさんの本を知っている)書店員だからこそ推したい名作、ですか?あれ。本当に他のもの読んでます?価値判断できてます?それでもあれがいいと思われました?CDショップ大賞2017にいたってはなんと宇多田ヒカルです。「この国には、過小評価されている音楽が多すぎる。」から始めた賞ではないのですか?なら誰に言われなくても除外して然るべきでしょう。つまり、明らかにコンセプトを理解できていないのが大半ということです。そして、その資格(?)がある人を充分数集めるのは難しいです。
話は戻ってMUSIC MAGAZINE誌の話ですが、①は不可避ですから、②と③を検討すべきです。
まず②ですが、主観か客観かは明らかにされているのでしょうか。私が選者を頼まれたならまずそこは確認します。例えば、空からの力は主観的には入れない可能性が高いです。KOHHなんかはもっとそうです。かっこいいと思うし、歴史的に重要なことも間違いないのですが、思い入れがありません。そこに枚数の制限があるのですから、上から並べたならどんどん下にいきます。逆に随喜と真田は客観的には入れません。もっと先に聴くべきものはたくさんあります。しかし、主観的にはまっさきに浮かんだ10枚のうち1枚です。
アルバムかどうかについてはどうでしょう。クリーピーとDOTAMAの鼎談で、クリーピーの作品が入っていないことに触れ、ミニアルバムだからかとも思ったけど、KOHHやPUNPEEはミックスCDでも入っていたとあります。というか、証言や、人間発電所が思いっきり入っています。これは揃えられているのでしょうか?タイトルに「アルバム」って入っているけど。結果を見てから、なんだよミニありかよならクリーピー入れたよという選者はいませんでしょうか?
そして、それを決めたのか決めなかったのか、もし決めたならどうなのかを明確にしなかったことが致命的であったと思います。頭の話ですが、なにが漏れようと、例えばアルバム売上のランキングですと言われれば文句になりません。
選者コメントでいかにもそこが不統一であったことが伺え、それぞれそこに否定的でない事を書いていますが、正直あまり信じられないし、本気なら同意しかねます。
次に③です。この選者はどういう基準をもって決めたんでしょう。どういう基準でもいいんですけど、わかりません。ゆうめいツイッターアカウントが少々目立ちますが、そんなこと言われてもというのが正直なところです。リスナー代表という理解にしては生業として評論してる方もいらっしゃいますよね。そういうプロとアマの割合は?50:50を狙ったというならそれもそれでいいですよ。どうですか?ラッパーが決める!でもいいですよね。そうか、ラッパーが選ぶとそうなるか、ということで不満がおさまる人もいらっしゃると思います。
ここまで書きながら、これら全部ぶっちぎって、雑に訊いてそのまんまランキングしましたってのも、まったくの無意ではありません。おもしろくはないけど、確かにそれもひとつのデータです。しかし、その上で叩きを回避する方法もあって、各自のランキングもそのまま載せることです。何故それをしなかったのか、正直まったくわかりません。総合で漏れても、ああ、あの人はあれ入れてくれてるんだ、わかってるな、みたいに勝手に納得してくれるのに。ぶっちゃけ、1枚1枚のコメントなんてさほど意義がないのだから、その分の枠をまわせばよかったのに。
一人頭30枚も選ばせたことから、データとして有意に近づけようということだと想像しますが、母集団の選び方や設問が雑なら多くすることでかえって知りたい答から遠のくということはあります。
自分であれば、トータルランキングはあくまでおまけ、余興として、各自のランキングをこそメインコンテンツと考えたでしょう。であれば人選についてはどうでもいい(好きな人だけ気にすればいい)し、コンセプトについてもそれぞれが言い訳(笑)するでしょう。
もうひとつ、本当にトータルランキングを目指そうという考え方もあります。その場合は直木賞方式がいいのではないかと思うので、人選は重要です。ラッパー、DJ、評論家、ファンからそれぞれ代表を理由明記で選出し、合議、とかです。
最後に念押しです。何が漏れたからという批判ではありません。本屋大賞、CDショップ大賞、マンガ大賞と並列に、企画としておもしろくなく、より納得感のあるやりようもあったろうということを書きました。
はじめてのたからづか(王妃の館)
ずっと行ってみたかったのだけど、歌舞伎同様、一度になる可能性があるから、例えばベルばらとかのビッグタイトルがいいなと思って引き伸ばしてきたのを、とあるきっかけで特にビッグでもないだろうこれを観に行きました。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/ouhinoyakata/
おれは全ての小説のなかで一番好きなのが蒼穹の昴という浅田ファンなので。悪くもありません。が、コメディ浅田です。宝塚的美麗感は楽しめるものなのかしらと少々懐疑的。
結論から申し上げますと、最 to the 高でした。また行きたいです。
まず驚いたのが、かなりの人数の生バンドなんですね。すごい。ピットに隠れているので大半見えませんけど、2階席なので多少覗き込む形になれたので、ドラムやパーカス、ピアノがいるのは見えました。弦と管は何人ぐらいかしら?音でいえばエレキベースやギターも聞こえるのだけど、これが本当にいるのかはわかりません。明らかに打ち込みのときもあったし。
興行としては、二部構成です。劇と、レビューと呼ばれるショー。
劇はちょっと学芸会っぽいです。笑いの取り方とか。おれが観に行ったことあるのは大体下北にいるような連中のなので、少々気恥ずかしさも。
だけど、やはりミュージカルなので、場面転換などの節々で歌い、踊るのがメインです。これがちょうグルーヴィー。前述の通りの生バンドに乗り、全開です。バレエの素養がある人たちなので、足も上がるしぐるぐる回る。とにかくダイナミック。これやりながら歌うってすげえなって素直に感動できます。この舞台だと最初の見せ場はホテル従業員がフォーメーションで踊るところだと思うのだけど、この振り付けがもうキュートで。
曲もいいです。リリースされてたら普通に買いたいぐらい、ポップな昭和の歌謡って感じのが結構。
スターである男役の朝夏まなと(何故か一発どころか予測で変換できる)さんはまあ当然なのだけど、他は誰がえらいのか、最初はよくわからない(一切予習をしなかった)。浅田小説はあんまり主役と脇役をはっきりわける書き方しないので、誰にスポット当てることもありえるのだけど、あ、この人だなって目を引く存在はいるのです。華があって、つい追っちゃう。この、三瞬で恋に落ちたスターこそ、実咲凜音(やはり予測で変換できる)さんでした。尋常じゃない格好させられてて、主役以上にそんな服で街歩いてるやついねえよ状態(しかも2回衣替える)なんだけど、それに負けていない存在感。ああ、美しい。幕間にパンフ買いにいって調べたらこのツアーで退団ですって。うそーん。間に合ったのか間に合わなかったのか。宝塚はまた行きたいけど、朝夏まなとさんも退団なので、せっかくお気に入りを見つけたのにそこからになる。痛い。とりあえず物販でブロマイドとポストカード買いました。これももう買えないんだと考えたらもっとぶっこんでおけばよかったと今は反省している。
話戻して今度はレビューですが、20帖、1時間にも渡る切れ目なしのワンステージ。出演者、特にスターは何度も出ますので、着替えも大変でしょう。息も続くのか。ていうかこれ憶えるのか。そういうことを除いても、舞台上の人数が凄まじい。圧倒的。脳内物質ぶわーっです。ときどき客席(2階にすら!)来てくれます。一瞬たりとも客を休ませません。
一応ストーリーらしきものも垣間見えるのだけど、まあ、意味はわかりません。ていうか多分ありません。世界観が1帖ごとにがらっと変わるので、通しのストーリーではなく、この人とこの人がこの人を取り合って戦います、理由とか背景は考えてはいけません、はい次!みたいな感じがひたすら。突然ソーラン節になるし、その辺は歌舞伎以上にぶっ飛んでます。こう考えると、おれにとって歌舞伎はどっちつかずってことなのかもしれません。ちゃんと筋に沿うか、完全にぶっちぎるか。なまじ意味っぽいものがあると引っかかっちゃう。筋とかどうでもええねんきれいならかっこよけりゃって世界って意味では同じなのかもしれないけど、やっぱりこのぐらいはまとめてほしいものです。
正直劇部分にも物語としてのおもしろみはない。浅田作品としてのよさはだいぶスポイルされている。本当に学芸会みたい。でも、このぐらいフックがないことで、ひたすらスターを楽しむことだけに専念できる、とは言えると思うのですよね。
舞台装置もものすごく気に入りました。本当にきれいだしよく動く。ものすごくセンスがいいなあと。LEDをふんだんに使ってて贅沢かつ現代的。これそのうちプロジェクションマッピングも入るんだろうなー。どんなふうに使うのかなー楽しみだなー。
今回は前述の通り、一回こっきりになる可能性を考慮してちょっといい席(8300円)にしたけど、続けるなら安い席も検討しないとなー。
お客さんはやはり圧倒的に女性が多く、男役のスターを一番に楽しむのが王道だとは思うのだけど、おれは男性だからか、やっぱり娘役が気になります。実咲凜音さんが足を高く上げて、ドレスがふわっと舞うなんてのはセクシーだなーと思いました。
もしここにたどり着いた方で、実咲凜音さんにはまったおれにオススメのスターをご存知の方がおられましたら、そっとおしえていただけるとうれしいです。ヒガシマル醤油の広告が貼ってあったので、綺咲愛里さんも魅力的だと思ったのだけど、結局はまるかどうかは生でみないとわかんないんでしょうね。
最後。この小説にはオカマが出てきます。これをどっちがやるかっていうと、やっぱり男役なんですね。ややこしい話だけどおもしろかったです。
はじめての歌舞伎
一度観てみたいとは思っていたけど、予感として本当に一度になる気がしていて、ならこれ観ておけっていうド定番にしておきたいなとずるずるここまできたのをついに。
おれもよくわかってないのだけど、同じようにちょっとは興味あるぐらいの方へのガイドにもなればと、初歩的と思われることから書きます。わかっている方が書くより役に立つことももしかしたらあるかもと期待します。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/513
双蝶々曲輪日記引窓 4:30-5:39
幕間 15分
けいせい浜真砂女五右衛門 5:54-6:04
幕間 30分
歌舞伎十八番の内助六由縁江戸桜 6:34-8:38
毎度そうとは限らないのかもですけど、上記にあるように3部構成でした。それも中(1時間)、短(10分)、長(2時間)と長さがバラバラ。短が終わったところで長めの休憩があるのでそこでみなさんお弁当をいただきます。劇場でもホットドッグレベルの軽食は買えるし、豪華なお弁当を予約しておくこともできます。おれはデパ地下でちょっといいお弁当を買って持っていきました。
ちなみに、奮発して一等席18kを買ったのですけど、当券なら4kとかで買えるようです。どんな席かはわからなかったけれど、正直一等席の満足度はかなり低かったので、舞台そのものに興味があればそういう方法をオススメします。ただ、助六ぐらいの人気舞台だとかなり早く並ばないといけないと思いますが。
入場したらパンフ(失念したけど1300円だったかな?そのぐらい)と、音声ガイドのレンタルをします(レンタル料1000円とデポジット1000円)。これらはもちろんなくてもいいんだけど、オススメします。
余裕をもって入って、パンフを流し読みします。誰が出るのかと、大筋は把握しておいた方が楽しめます。特に筋は観ててもまったくわかりません。セリフは、言葉はまあわかるにしても、音響問題もあって明瞭とは言えず、役者によっては聞こえません。予習なしで挑むのは無謀です。
音声ガイドも聴きます。始まる前からその日の見どころなど、いろいろ話してくれてます。一人で行くならずっと聴いているといいと思います。そして、これは途中でも流れています。これは話者のテクニックなので合う合わない当たりハズレはあると思いますけど、わかりにくいところで解説してくれたり、なんならネタバレかましてくれたり(予習を勧めるだけあってそれが邪魔になる性質のコンテンツじゃありません)、初心者フレンドリーです。
予習が終わったら館内をうろつくのも楽しいです。売店が充実してます。おみやげ屋さんが数軒あり、くず餅の試食などもできますし、扇子やブロマイドといった物販もかなりのものです。
席は狭いです。18kも払ったのにこれ?って感じで、前も横も余裕がない。おれは駅のコインロッカーにお弁当と手荷物以外預けましたが、正解だったと思います。コートはしょうがないので、お弁当を開くのに難儀します。
あと、女性トイレは、なんでもあるあるですけど混みます。
トータルとしての感想としては、舞台や衣装にお金がかかっていて、ホスピタリティも高い。ひととき特別な空間を味わうもの、でしょうか。
時代なんでしょうけど(助六の初めに古いものだから鷹揚にお願いしますという口上すらある)、話の納得感はもう全然ありません。バカとか差別主義者とかサイコパスがこれでもかってぐらい出てきます。そういう、普通の舞台に望むようなことは諦めましょう。派手できれいなものをみるものです。お話など飾りです。えらい人にはわからんのですよ。
そういう意味では楽しかったです。特に市川海老蔵はなるほど人気者だわなあというカッコよさ。姿がいい。
当初の予想通り、やっぱり一回で満足なので、おそらくもう行くことはないと思いますけど、ハマる人がハマるのはわかります。
次からはそれぞれの幕の感想なので、ガイド的なものとしてはもう読まなくて大丈夫です。
引窓
設定が相当にややこしいのだけどがんばって解説します。まず宿を経営している老婆とお嫁さんがいて、老婆とお嫁さんの夫は血のつながりがありません。老婆の再婚相手(既に死別)の連れ子が夫です。その三者の関係は大変良好です。そこに、老婆の実の子(相撲取り)が殺人を犯して逃げてきます。老婆はそれをとりあえず匿います。お嫁さんは老婆のことが好きなので協力します。すると、タイミングよくか悪くか、夫が新規に郷代官(雑にいえば警察)に任命されて帰宅します。初任務は相撲取りの確保です。夫は老婆に恩返しがしたいので、出世のためにちょうやる気。
ここまでが設定だけど、これをあの不明瞭な発生、音響の中セリフと動きだけで把握するのは多分誰にもかなり難しいことです。知っていることが前提です。
お話はその後、出世は孝行だけど、(義)母の実の子を縄にかけるのは不孝という板挟み。逆に老婆は実の子はもちろん可愛いけれど、郷代官だって義理とはいえ大事な息子で愛情があり、迷惑をかけたくない。それを見てこの人たちの愛情に心を打たれ、自分が捕まって死罪になればいいと自首したがる相撲取りという葛藤が続きます。知ってればなかなかおもしろい筋ではあるのだけど、まあ観てるだけじゃわかりません。
タイトルに引窓とあるのが肝で、要は天井にある窓で、それの開閉で明かりをコントロールするもの。話の筋としてはこの明るさであったりが大事なのだけど、照明は一切変わりません。さらに、二階に隠れている相撲取りの姿が庭の手水鉢の水に移ることで郷代官は事情を察するということなのだけど、わかるかい!!演出としてわかりにくいし、お前察しよすぎるだろ、ってのが受け入れがたい。ここも音声ガイドが教えてくれるからわかることです。よってちょう大事です。
そもそも、ながーいお話の一幕だけをやるオムニバスって感じの興行形式なので、かなりのリテラシーが求められるのでしょう。
なお、郷代官は松本幸四郎でした。豪華ですね。嬉しかったです。けど、初々しさが欠片もありません。というか貫禄がありました。そんな新人いねえよ。
けいせい浜真砂
石川五右衛門が実は女性でけいせい(遊女)、しかも武智光秀(みなまでいうなのテイでしょうね)の娘。彼女は敵である真柴久吉(いうなったらのテイでしょうね)の息子に恋している。そこに巡礼者として久吉が通りかかって(はあ?)歌を詠み合う(ええ?)。これだけの約10分。五右衛門の立っているところと衣装がど派手で、90%それを見せるためだけの一幕。
このぼくのかんがえた感、艦これだのなんだのをバカにできるものではなく、ああ、昔からそうなんだなあと嬉しくなります。
しかし、この五右衛門を演じるのが四代目坂田藤十郎、御年85歳。どう贔屓目にいってもおばあちゃんです。正直おばあちゃんも無理。普通におじいちゃん。これはさすがに初心者にはしんどい。これで自分を騙せるかどうかってのはすごく大きな分かれ目だと思います。おれは無理だった。
助六
おれでも知ってるぐらいのスーパーメジャータイトル。四季ならキャッツとかオペラ座の怪人とかそういうんでしょう。
先に書いたように海老蔵の助六がすごくカッコいいです。あと、揚巻(ヒロイン)、意休(ライバル)の3人が揃って見栄を切るところも、コントっぽくて笑っちゃいもするけど、確かに決まります。
だけど、これはマジでそれだけというか、全体的にあまりにもたるい。助六が出てくるまで4,50分あるんですけど、そこまではひたすらに各々の登場シーンを長々やります。音声ガイド聴いても、衣装の見事さとかが見どころのようです。そりゃ最初はすげえってなるけど、ひたすらそれなので眠いです。ちょっと落ちました。衣装のよさみたいなのって、その前のけいせい浜真砂で軽くお腹いっぱいなんですよね。満足してる。それを5倍近くかけてやられると。
助六が出てからは多少話があります。が、もうなにいってんだか、なにがしたいんだかわかりません。全員あたまおかしい。美麗なたけしの挑戦状とでもいいましょうか。理不尽極まりない。そういうこと以外でも例えば、田舎から出てきた侍をまったくなんの意味もなく侮辱して笑いにするところがあるのだけど、なんでこれ笑えるの?ってなります。
話の肝を思いっきり雑にいえば、助六は意休っていう人にどうにかして刀を抜かせたいというものです。これが当然にめっちゃ抜かないんですけど、最終的に抜くところの意味がまたまったくわからない。なんでそこまで耐えてたのにそんなことで?ってなります
そもそも、歌舞伎ファンにはすみませんで書きますと、助六は忠臣蔵と並ぶ三大仇討ちのひとつ曾我兄弟の仇討ちがベースで、鎌倉時代の話です。それが江戸の話になっている(ますよね?)のに整合を取ろうという気がまったく見えない(すみませんがこれ以上は調べません)。やはりけいせい浜真砂と同様、ぼくのかんがえたさいきょうのをもとに、いかに人や衣装、舞台を美麗に見せるかだけに絞った芸能なのかと思います。
それはそれでいいと思いますが、ここまでぶっちぎりに筋を捨てられると、おれは厳しかったです。引窓は全然わかるので、演目によるとは思いながらも、じゃあその人や衣装がそこまで魅力的かというと。だって普通におじいちゃんだし。
繰り返しますが、市川海老蔵はすごくカッコよかったです。スターが、まだああ漲ってる感じのときに見る分にはすごくよくわかります。
最後に、古典芸能がいかに現代に生き残るかって話として、びっみょーに時事ネタ入れてきます。これはいいのか悪いのかおれには判断つきませんでした。
ひさしぶりのやきう
最後の野球観戦はまったく憶えていないぐらいの昔。WBCキューバ戦のチケットが取れたので行ってきました。
競技としては楽しいけど、やっぱり圧倒的にかったるい。攻守交替は猛ダッシュで、たらたらしてたらイエローカードとか、投手交代時マウンドでの投球練習を認めないなど、とにかくさくさくやるための施策が求められていると思いました。この辺これでも改善されてるらしいんだけど、子供の頃の印象と変わらない。翌日も仕事だし、席がものすごく窮屈で膝が痛くなってきたので、5回裏が終わったところで帰りました。
松田はよかった。It's his day.って感じ。あと、キューバのセンターサントス。非常に足が速く、見ごたえのあるファインプレーをいくつか。
投手はまっっったくわかりません。見えません。ビジョンも活かされていない。強い不満として加えて書くと、アナウンスが聞こえません。なんで壁際にはスピーカーがないのか。ビジョンの文字、あれ読めるとお思い?矯正視力1.0ではもうまったく読めません。だから、なんなら誰が投げてるのかわからない。
あと、これは仕方ないとも思うけど、携帯の電波が弱いです。なんでそこが気になるかというと、やはりアナウンスが聞こえないビジョンが見えないからです。ヤフーなどの速報が補助的に必要なのです。強力なWi-Fi設けて、なんなら情報も自前で出すぐらいやってもいいのではないかしらね。
これはテレビで観られていた方の方がよくおわかりかと思いますが、ホームラン?っていう当たりがスタンドインの前に観客に取られてしまい、2塁打扱いになりました。あれ、スタジアムの殆どの人が意味がわからなくてぽかーんとしてたはずです。周りはそうでした。まったく説明がないんですよ。ホームランだーって騒いでたら選手が怪訝な顔になり、審判団が下がって、審議してたんだろうけど、なんとなくプレイ再開。理解できない。携帯が繋がった人が速攻でyoutubeに上がったので知って周りに伝播してくって感じでした。
それはそれとして、その意味でも松田はこの日のヒーローだった。もちろんそこにつなげた打線も。負けはもちろん、接戦になるだけであの少年に対する周りの、社会の野次馬の目は厳しかっただろうと思う。
あの少年はバカなことをしたもんだけど、でも、初めてだか知らんけど、こんな大舞台観にきて、目の前にホームランボールがきたときにあと0.5秒ガマンしろって、それ100人が100人言えることですかね。橘高様の放ったピックに反応して女の子にぶつかっちゃってごめんみたいなこと、ありますよ。そもそもそれができちゃう設計なのがいかんし、それでやっちゃったことを個人特定するまでの勢いで責めんでも。人としてクズいですよそれ。
最後に、ビールの売り子さんが例外なく全員可愛かったです。あれ事務所所属のタレントの卵かなんかですよね?バイトの応募者から顔で選んでもなかなかここまでは。
2016年振り返り(音楽)
今年よかったアルバムのまとめ
1位:醒めない/スピッツ
まず最初に、今年は本当に難しかった。洋邦ジャンル問わず豊作。最後に外れたものも列挙します。
で、1位はスピッツ。思い出補正をがんばって除外するなら、最高傑作ではないかしら。ジャケットもフェイクファーの次に好き。
まったく変わることなくスピッツで一切奇をてらったところがないのに、クオリティがめちゃくちゃに高い。ということで書くことがなく、あなたが思い浮かべる最高のスピッツそのままです。
ちょっとした小話として、義母が今年ファンになりました。
- アーティスト: スピッツ
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2016/07/27
- メディア: CD
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2位:daydream/Aimer
2年連続の選出。さらにレベルが上っているし、RAD野田やワンオクTAKA、スキマスイッチなどの絡みでファン層の拡大にも取り組んでいる。本当に最高だと思う。
KORNや座禅(吉田が参加している)みたいなネタものまでありながら、aimerのアルバムであるという印象はばっちりなのは彼女の歌の強さでしょう。段々と評価が上がってきているようでうれしい。
ていうか単独のチケットは普通に売り切れるので、もう見つかってますね。
- アーティスト: Aimer
- 出版社/メーカー: SME
- 発売日: 2016/09/21
- メディア: CD
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3位:We got it from Here... Thank You 4 Your service/A Tribe Called Quest
日本語ラップが盛り上がってきているといわれているような気がしないでもない今日この頃ですが、正直、音源という評価になるとほとんど聴くものがなく、ブームとはという気持ち。という中これがもう自分の好きなラップそのもので、いうてももう動かないわけですよね。被るのでここには入らなかったのにJ DILLAがあるし。
サンプル(に限らなくてもいいけど)音源をコラージュして、ループを基本に新しい形に作り上げる。この楽しさにはまだまだ先があると思うのだけど、なんでだれでもできるようなプリセットの打ち込みがこんなに多いのかしらね。あと歌いすぎ。
ジャンルとしてでなく、なぜこの音楽を好きになったのかという根源的な楽しさ。それがここにありました。あとCommonもちょっと違うところもあるけど意味は同じ。
We Got It From Here… Thank You 4 Your Service
- アーティスト: A TRIBE CALLED QUEST
- 出版社/メーカー: EPIC
- 発売日: 2016/11/29
- メディア: CD
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4位:We love Tank-top/ヤバイTシャツ屋さん
バンド名がかっこ悪いと聴かない(悪いだろうという意味ではなく、個人的なスクリーニング)ので、まあそれなりにいいんだろうなと思いつつメジャーまで待ちましたが、これはすごいですね。歌詞からコミックバンドとか言われてたり、音はメロコアのくくりにされているのが多く感じるけど、それよりSUCHMOSとかCEROみたいな音楽偏差値高めなグッドミュージック系ではないかと思います。なにをどうしたらどう聞こえるのかをよく知っている感じ。メロコアは無線LANのハイスタなんかで確かに顕著なんだけど、メタリカとかアジカンとか、そういうもののエッセンスを必要に応じて使っていると思う。1曲目なんてディズニーだし。
- アーティスト: ヤバイTシャツ屋さん
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2016/11/02
- メディア: CD
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5位:METAL RESISTANCE/BABYMETAL
そういう意味ではヤバTと同じかもしれないこれ。森メタルとかまで手を出してもうわからんところにはまったくわからんだろうと思うけど、それはそれでいいというか。
- アーティスト: BABYMETAL
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2016/04/01
- メディア: CD
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なお、ここまでは最初から確定で、あまり悩んでいませんが、以下は順番もそうだし、選出も一歩間違えれば外れるぐらい微妙です。
6位:Dystopia/Megadeth
MetallicaとかMeshuggahとかTestamentとかスラッシュ直系のメタルもまた豊作で、その中であえてというとこれです。Count DownとかYouthanasiaとかの、めんどくささだけでなく、コンパクトなポップさも取り入れようかな期のよさがここにありました。キコのソリストとしての味も、マーティ以来なかったもののように思います。
- アーティスト: megadeth
- 出版社/メーカー: unive
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: CD
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7位:純情ランドセル/赤い公園
津野こわい。最高にギターが鳴ってる。あとちょっとでTAKUYAの域。ポップさとアレンジのおもしろさの高次元での両立。こう、弾きたくなる感じが、いまなかなかないのですよね。
- アーティスト: 赤い公園,津野米咲,島田昌典
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/03/23
- メディア: CD
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8位:ウインカー/特撮
強いていうと、ギターソロをちゃんと弾いてると思う曲が目立つのが今作だけど、キャッチーでありながらヘヴィで、オーケン(とエディ)ほど癖の強い音を基本にしながら本体(筋少)とは明らかに別物。NARASAKIのよさが一番出たアルバムといえるかもしれない。
- アーティスト: 特撮
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2016/02/03
- メディア: CD
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9位:アウェイ/Scoobie Do
特に書くことないです。相変わらず素晴らしい。
- アーティスト: SCOOBIE DO,松木泰二郎,小山周
- 出版社/メーカー: CHAMP RECORDS
- 発売日: 2016/01/27
- メディア: CD
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10位:THE STILL LIFE/平井堅
特に書くことないです。相変わらず素晴らしい。
- アーティスト: 平井堅
- 出版社/メーカー: アリオラジャパン
- 発売日: 2016/07/06
- メディア: CD
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その他
漏れたのを列挙。これは正直6位以下にはどこに入ってもよく、最後まで入れ替えていたところ。
Hardwired: To Self-Destruct/Metallica
The Serenity of Suffering/Korn
The Violent Sleep Of Reason/Meshuggah
こう見ると、特に洋楽で人気のあるベテランが多く出している。かつ、10に入れたやつも大体そうなんだけど、既存の正解をきっちりこなしてる印象が強い。それが絶対の正解でもなく、新しい一面を出していくってのも大事ではあるけど、下手にそれに挑むよりは求められているものをきちんとこなす(ってのもとてもむずかしいので)ってのはいいと思うのですよ。
紅白見ながらこれ書いてる。なんとか年内間に合った(去年のコピペ)。
サイバークリーン
マツコの知らない世界でやっていたお掃除道具です。
簡単にいえばスライムをベターっと、例えばキーボードに貼り付けて、はがすと汚れが取れているというものです。気になったので、即注文したのだけど、実は番組を観ているときにちょっとした違和感がありました。目があまりよくないので、気のせいかなとも思いましたがやっぱりでした
はいウソー
— れーもん (@Dragons_remon) 2016年11月29日
Windowsキーがちがいまーすwwwwwwwwwww#マツコの知らない世界 pic.twitter.com/FTf0ggwtOy
多分おれが気になったのは表面の処理の違いだと思うのですが、windowsキーの方はもう明らかですね。
あーあと思いつつも届いたので、試してみた結果がこちら。
2回やっての結果です。十分きれいになったと思います。もちろんこれじゃわからないけど、奥に入り込んでた髪の毛なんかも取れてます。
なんであんなことしたんですかね。この画像作るのだって実際の掃除含めて10分は要らないのに。局や番組が信用を失うのは自己責任だけど、マツコに罪はないし、なによりメーカーが可哀相です。
ということでまあまあオススメです。
アイリスオーヤマ サイバークリーン 145gプラスチックボトル入り PCP-135
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iOS10へのアップグレードに伴う★つけ廃止問題について またはCesiumのススメ
激震が走ったiOSの9月中旬のアップデートによるレート(★つけ)の廃止。おれは入手した曲はとりあえずiPhoneに放り込んで、聴いた物は採点し、基本的に★5のものだけを残すという運用で、もうなんなら10年やってきました。これによってできたアーカイブは宝というか、おれのリスナーとしての存在そのものとも言えます。それができなくなった。
代替として、もう買う寸前までiPod NANOを検討しました。デザインがいまいちなのに最低でも12kは覚悟しないとまともな状態のは買えないノリだったし、そもそもいまのAppleへの不審なのに、その同時期の製品を大枚はたいて買うってどうなん?とギリギリで思いとどまりましたが、第5世代あたりがBluetoothに対応していたらまず買っていたでしょう。そのぐらい追い込まれていました。
それなりに検索をしたところ、まあこれならっていうアプリがあったので、使用感をお伝えしたく、これを書くことにしました。第一印象と変わらないんですけど、一ヶ月使っての感想と言うことで。
Cesium
ご存じない方はこの名前をググるなり、もうアイホンから直接見るなりなさってください。
ものについては、もうぶっちゃけ悪くなる前のどシンプルなミュージックアプリそのものです。これこれ、これがほしいのですよAppleさんというそのもの。なので、欠点だけ。
まず、なんとなくもっさりしてます。★をつけるにしても、タイムラインを動かして、聴きたいところを出すにしても、どうもレイテンシーを感じる。
次に、というか、結局同じ事なんですけど、すぐ落ちるというか、立ち上げ直しになる。あ、これは採点しようと思ったとき、起動に数秒かかるのが結構なストレス。
最後に、タイムラインが動かないという自称が頻発します。特別困りはしないんだけど、もやもやはします。
とはいえ、今のクソ使いにくいミュージックよりはるかにマシです。150円ぐらい、全然損ではないでしょう。ていうか、お願いなので、とりあえず買ってください。そのお金が集まれば、上記の問題も解消できる可能性が高いです。微妙なチューニングとデバグが済めば完璧なプレイヤーなんですよ、これ。
ていうかもうiOSイヤです。恥も外聞も無くApple Music使えこの野郎ってことでしょう?もともとiTunesが無料のプレイヤーソフトとしてぶっちぎりに使いやすく高機能だったので、その流れでiPodを使い、スマホも勢いiPhoneなわけで、それはいいんだけど、ならその根本を守ってくださいよ。ここ1,2年、むっちゃくちゃに固まりますよ。言い過ぎでなく、一日一回は確実に。これが大量のデータを云々ならまだしも、★5に満たなかった10曲ぐらいを削除するだけ。これで更新の準備中だの仕上げ中(これが出たらまずおしまい。タスクマネージャーで落として再起動した方がまだ早い)だのよくわからんことを抜かして動かなくなる。
Loud Park 2016 at SAA 10/8
そもそもトリがスコーピオンズで、ウリの名前もあった時点でかなり魅力的だったのだけど、そこからの追加や日割りで、なかなかおれフェスになっていたので、決定。
SONS OF TEXAS
LAMB OF GODとかDISTURBEDの畑に咲いた花って感じのオーソドックスなバンド。そこまでかってぐらいオーソドックス。その二つはしっかり売れているのだし、これもまた期待できる。そこはアメさんうらやましいよなあ。
ZARDONIC
名前すら初めて見たレベル。METAL HEARTがガツンと鳴るからなにかと思ったらDJなのかね。それなり楽しいけど、昼を食べるタイミングが難しいのでここにってことで、離脱。
どうでもいいけどビーフなんちゃらってご飯の上に牛肉と温泉卵が乗っただけで800円したやつ。率直にいって全然おいしくなかった。多分忘れちゃうだろうけど、次は避けたい。KINGDOM STAGEの方においしそうな店まだあったし。
ALDIOUS
ここで思い出したんだけど、全体的にPAがひどい。妙に音小さかったり、バランス悪かったり。ここはボーカルの音が抜けた。なにしてんの。
基本がキャッチーで、ときどきサイサイかと思うほど。もう少しメタリックにしていただけると嬉しいかなあ。
ボーカルがボーカルですって感じの美人で、ストレートの金髪に墨ってのは好きです。
ところでドラムのお父さん(というかお母さんの再婚相手)がテリーボジオと聞いてひせくる。ドラマーとしてそれ以上の環境ってある?
MYRATH
これまた名前も存じ上げませんで。いうてもその名前から想像するイメージはあって、果たしてそういうのだったので離脱。嫌いなわけではないんですけどね。ぶっ通しだと疲れるので。
CANDLEMASS
ここで戻ってくる。そういえば観たことなかったな。ってボーカルマッツレヴィンさんでしたか。おなつかしうございます。
もっとドゥームって感じの音だと思ってたんだけど、これもまた随分オーソドックスな。マッツってそういうイメージだもんなあ。ドゥームっていうには軽いよなあ。
RAGE
その前のREFUGEを逃した痛恨を挽回しようと思っていたのだけど、これはやっぱり今のRAGEであって、おれが求めていたのはREFUGEだったのですね。
ギター、ベネズエラかどこかの人らしいけど、とても上手い。そして歌が上手い。単純にバンドとしてみたらこっちの方が上でしょう。でも、マンニのいなたさが大事なのです。
そしてそういう曲もSolitary Manだけ。寂しい。
ARMORED SAINT
この日一番の驚き。いや、ANTHRAXはジョン派なおれなので、期待はしていたのだけど、こんなにカッコいいとは。本日三回目のうわ、オーソドックス。一曲も知らないのに全部ブチ上がった。
って、MCでこれ初来日と知る。ようこそ。楽しかったです。
- Win Hands Down
- March of The Saint
- Nervous Man
- Last Train Home
- Chemical Euphoria
- Mess
- Left Hook From Right Field
- Reign Of Fire
- Can U Deliver
- Mad House
EXODUS
実は本日一番のお目当て。大好きなんですよね。谷原”ハラショー”章介さんが、スラッシュは彼らをいれて五天王にすべきだとおっしゃるのに全面的に同意します。ちょうあまりにもカッコいい。もうなにをやるかじゃないんですよね。
- The Ballad Of Leonard And Charles
- Blood In Blood Out
- Body Harvest
- A Lesson In Violence
- Blacklist
- Bonded By Blood
- The Toxic Waltz
- Strike Of The Beast
SHINEDOWN
売れているらしいのだけど、そこまで好みってわけでもなかったし、なによりすぐにQUEENSRYCHEなのでちょっと聴いて離脱。
特にバンドやる予定はないのだけど、その衣装でもなんでもなさそうな普通のスーツでヘヴィなのやるのはおれがずっとあたためていたアイディアです。くやしい。
QUEENSRYCHE
記憶が確かなら、おれが生まれて初めていったライブは彼らです。てことで、ヒジョーに複雑な思いでむかえたこのライブ。なにせ、ジェフがいない、クリスがいないなわけで、それはもう同じバンドではなかろうというところに、始まってみるとエディもいない(録音を流しているの?)しかも一言もそれに触れない。もはやこれはバンドとしてのテイを成しているのか。
てなことはさておきですね、まずはセットリストをご覧ください。
- Guardian
- Operation: Mindcrime
- Best I Can
- The Mission
- Silent Lucidity
- Empire
- Queen Of The Reich
- Take Hold Of the Flame
- Screaming In Digital
- Eyes Of A Stranger
1曲目を除き、見事なまでの、ベスト、もしくはヒストリーオブクイーンズライク。1stが1曲、2ndが1曲、3rdが1曲、mindcrimeが3曲、Empireが3曲。完璧かどうかはわからないけど、文句はつけられないでしょ。
で、このボーカルのトッドさん、声や節回しだけでなく、立ち振る舞いや衣装まで含めて99.9%ジェフテイト。無個性。このセットにおいては本当にありがたいことなのですけど、ご本人はそれでいいのでしょうか。
そして、本日のMVPであらせられるところのスコットロッケンフィールド。おれのドラムの理想形。ああ、初めからそれを見ていたんだなあと感慨深く。
CHILDREN OF BODOM
次にこの日唯一の、そしておれのフェス史上最大の悩ましい被りが控えており、ここは前のQUEENSRYCHEと挟まれた、一番割を食ったところ。それなり好きなんですけど、真ん中だけちょっと観たにとどまります。
BLIND GUARDIAN
さて、ここが良かったらそのまんま残り、微妙だったらオリジナルDOKKENという大事なところ。なんでこんなもん被せやがりましたか。
始まってみるとハンズィがベース持ってない。なんか絵的にかっこよくない。
まあ、それはいいとして、少々地味な立ち上がりで、RAGE同様、アクがなくなったかなあなんて思っていたところに、imaginationアルバムを全部やると言い出した。ありがとうございます。そこまで好きなアルバムじゃないんです。ということで、ふっきれてDOKKENに。
や、これがsomewhereだったらどうしようかと思っちゃったよ。
DOKKEN
オリジナルメンバーです。数年前、やはりラウパで恐ろしいほどの劣化を披露してくださったドン様の今年のデキはいかに。
果たして、まだ下がある、だと?というぐらいに酷い歌唱。もはやギャグ。更に悪いのが、コーラス、主にジェフのハイトーンがまったく衰えていない。サビになるともう誰がボーカルだかわかんないレベル。もう来るとわかっているけど怖くて怖くてしかたのないIn My Dreamsのど頭。
もうひとつドン様にとって悪かったのが、この後に、もう8つも上のクラウス様が完璧な美声を聴かせてくださったこと。
いうてもずっと叩かれてるのがここまでって、もうサボってるとかいう域じゃないので、ご病気なのかと思っています。それもあっての期間限定オリジナルメンバー、と。
あ、ジョージリンチはもう最高でした。
- Kiss Of Death
- The Hunter
- Dream Warriors
- Don't Close Your Eyes
- When Heaven Comes Down
- Breaking The Chains
- Into The Fire
- Alone Again
- Mr.Scary
- It's Not Love
- In My Dreams
- Tooth And Nail
SCORPIONS
トリ。まさか観られることがあるとは思っていなかった。引退ツアーっていっても、ちょっといけそうになかったし。本当にありがたい。
そしてありがとうしかないベストオブスコーピオンズ。ああ、もう、ホントきてよかった。
途中で、あれ?ドラムミッキーディーじゃね?と思って調べたらそうだった。普通に発表もされていたのだけど、その時点でのWikipediaに反映してなかった。なんて思った瞬間Overkill。あー、なんかレミーコスプレの人が2,3人いたのはそういうことなのかーとか。正直クラウス様の美声はキングオブダミ声のレミー曲と相性最悪なのだけど、そういう問題じゃなく泣けた。
さて、ポイントはどう考えてもあるだろう、ウリのゲスト曲です。おれは希望と予想が一致した、もう一点読みのThe Sails Of Charonだったのだけど、答えはWe'll Burn The Skyでした。残念。
って、逆のウリステージではそれどころか、ゴリッゴリにスコーピオンズ曲やってるけど、クラウス様とルディは参加したのかしら。
- Going Out With A Bang
- Make It Real
- The Zoo
- Coast To Coast
- Top of the Bill / Steamrock Fever / Speedy’s Coming / Catch Your Train
- We Built This House
- Delicate Dance (Instrumental song – Brief solo intro by Matthias Jabs. Ingo Powitzer on rhythm guitar)
- Kojo No Tsuki (滝廉太郎 cover)
- Send Me an Angel
- Wind Of Change
- Rock'n'Roll Band
- Dynamite
- Overkill (Motörhead cover)
- Drum Solo
- Blackout
- Big City Nights
en - Still Loving You
- We’ll Burn the Sky (with Uli Jon Roth)
- Rock You Like A Hurricane
まとめ
今年、これまでの反省を活かして指定席取りました。これが本当によかった。ていうかもうそれじゃなかったらもたなかった。正直金額的には痛いけど、今後もこの方向で。
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Bluetoothつかってお風呂で音楽聴きたいなと適当に選んで買ったものが大当たり。
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音質
音がいいって一言でいってしまうとつまらないのだけど、不満はまったくなく、快適に長湯ができるようになりました。特にというなら低音です。手に持っててもずんずん来る感じがあり、好みによっては(特にお風呂では)少し気になるかもしれません。
音量
十分です。指向性がないので、お風呂と限らず、リビングでも十分使えます。なんならBBQとかの野外でも多分いける。
操作性
そもそもちょくちょく操作するようなものでもないのでさほど気にならないけれど、ちょっとボタンが重い。ぐっと押し込む感じ。そのボタンが真っ黒で、+や-の表示が見にくいのも不満。そこは色つけて欲しかった。
あと、これが一番の不満、とはいえ値段考えたときの妥協点なんだけど、曲送りだけでいいからできるようにしてくれたらなーとは思う。お風呂で、あ、これはいま気分じゃないというときに困る。
通話
これもまずないけど、十分できます。この操作については通話のon/offと最初のボリュームだけでいいので不満はありません。
バッテリー
10時間もつというふれこみですけど、多分、まあ、そのぐらいなんじゃないですかね。よくわかりませんが、あんまり充電はしません。
まとめ
なにより安いです。この値段でこのクオリティの商品作れるかーと感心。
おまけ
バイク乗りの方に、特別薦めるわけでもないんですけど、こんな使い方もできます。