DEATH STRANDING感想

久しぶりにがっつり大作ゲームをやった。コジプロが満を持してということだったし、先行者の感想も新しい遊びみたいな、パラダイムシフトまで期待させるようなものだったので。わざわざではないけれどネタバレには配慮しませんのでその旨ご承知置きください。

ざっくり点をつけるとゲームとして80点、シナリオは酷評の65点。

まずゲームとしてだけ。荷物を運ぶことをメインに、いろんな手段、ルートがあるだけでなく、ネットでつながっている先行者の残してくれたハシゴやロープ、橋は大いに役に立ったり、逆にいらんとこ行かせる罠にもなったりいろいろあるのは結構楽しい。根本的なアイディアとしては素晴らしいと思う。

ただ、ツメは甘い。たとえば乗り物。バイク、車、フローターと3種類あるけど、感覚的に使えて便利だなというのはバイクだけ。車は遅いしすぐ詰まるのでよほど整備されたルートを大量の荷物を運ぶぐらい(やりこみ要素用?)。フローターも自分が乗って坂を下りるってのは楽しいけど運搬手段として考えると全然不便。うまいことやればってのも臭いは感じるんだけど、やってみてダメだったっていうとものすごくめんどくさいので試す気にならない。これは全体的にいえる難点。

荷物運び、移動は楽しいとしたが故に大きなマイナスもある。それは敵、BT。最初こそ怖いけどすぐに慣れて、ただひたすらにめんどくさい存在に成り下がる。ああはいはいくるのねとこなす、クロックタワーを思い出したような、移動を阻害するだけの存在。徒歩で、そこをぬけるだけならまだそーっと隠れながらをがんばれるんだけど、バイクに乗ってたり、座礁地帯で物を探さないといけないとなるともうやってられない。さっさと捕まって倒した方が早い。早いだけでなくそこそこ楽しさもあるし、得るもの(カイラル物質)もある。徒歩ならというのは、平地ならともかく山間部ではバイクで逃げ切ることはできないので置いていかないといけなくなるから。

倒すのも最初は難しいけど、これが後半どんどん楽になる。逃げる理由はないレベル。これバランスとしてどうなのか。せめて「臍帯を切る」は最初からあった方がよかったんじゃないかしら。

移動(運搬)は楽しいと書いたけど実はそれも後半の話で、徒歩で、ろくにまっすぐもあるけない序盤は苦痛。なんで序盤が一番きついの?火葬場に運ぶところはあーつまんねーつまんねーと連呼してた。ぶっちゃけここでいきなりやる気をなくしてイージーに下げた(もうひとつ萎えた理由として文字の異常な小ささがあるんだけど、これは途中からパッチあたって直った)。

ウエイトの置き場がなんかもうむちゃくちゃで、中盤以降のゲーム性が最初からあったらすごくおもしろくなったかもしれない。

さて、酷評のシナリオだけど。意味がわかりません。いやわかるけどピンとこない。はあ、そうですか、という感じ。つっこむだけの材料もなく、受け入れるしかない。なんだよビーチって。それ一発で通ると思ってるのかしら。そこが飲み込めないおれは最後までお、おうでした。話の筋的にもそれが黒幕で動機はこうってのも同じ。お、おう。もっというと知らんがな。

その設定自体言われるがままに受け入れざるを得ないもので、そこに疑問をもってもそういうものなんですと言われればそれ以上ない。その上で、いちいち実はこうでしたを繰り返されても乗れない。二転三転のジェットコースタームービー!真の黒幕は!的作劇ってダメでしょ。それだと実は神様の意向でしたってちゃぶ台ひっくり返される可能性もあるんだからまるで緊張感がないよ。(基本としては)語り手側にも制限がないと。