楽天カード入会特典ポイントの注意点

これは、私が2015年の11月に、8000円相当の入会特典ポイントに釣られて楽天カードを作ったけど、結果ポイントがもらえなかった、正確にいうともらったけど使えなかったという話です。

それなりの懸念はあったので、軽く調べはしたけれど、特別問題になってるようでもなかったので、大丈夫だろうと高をくくっていた結果なので、今後同じことが減るよう、残しておきたいと思いました。

前段

まず、頭出しとして、楽天のキャンペーンはわかりにくいというような噂も聞いていたので、申し込みさえすればそれで黙っていてももらえる、とまでは思っていませんでした。なので、それなりにはしっかり記載に目を通したつもりでした。

もうひとつ、私はかつてそれなりの大きさの企業のwebサービスの製作、運用に従事していた経験があります。そこでは文言の甘さ一つでクレームが入り、返金になることも珍しくはありませんでしたので、こういう問題についてのリテラシーもそれなりにはあるつもりでいました。そこは信用問題なので、わかりにくい、誤解を招くというのはもうアウトという世界でした。今から思えば、それ以上に大きい企業がやっているのだから、いうても不誠実なことはしないだろうという性善説によってしまったのがいけませんでした。

少し話はそれるかもしれませんので次のセンテンスまで飛ばしていただいて問題ありませんが、単純に返金と言っても、例えばたった108円を返すというだけのことが、どれだけのことか、イメージしたことがないという方もおられると思いますので、ざっくり書きます。まずクレームの電話を受けます。この段階ではいはいと受け付けていたら塵も積もってしまうので、本当にこちらのミスか、オペレーターがよく話を聴きます(メールかもしれませんが時間がかかるのは同じです)。相手にもよりますが、この時点で30分以上かかることがあり、仮に時給1000円のアルバイトだとしても、事後処理まで含めて1時間、1000円ぐらいのコストが発生します。その後、こちらが完全に悪いとしても、それをオペレーターやそのSVレベルで判断、返金決定とはできませんので、担当社員に上げます。その社員のコストを仮に時給3000円とします。担当社員からユーザーに折り返しをするかもしれませんので、あくまでスムーズに運んだ場合です。それが要返金の判断を下し、上長の決済を取るまでやはりどんなに短くても30分、1500円。もちろん素通りに近かったとしても、その上長の稼働もここでかかります。さて、それで終わりかというと、まだ返金処理があります。システム上で取り消せる段階ならまだよいですが、もう引き落とし処理まで済んでいた場合、ユーザーにその分の返金をするという対応になるのでもう一手間かかります。会計処理ですので、会計担当者の決済も必要になります。途中から計算やめちゃってるけど、最低でも1万円ぐらいは楽にかかるでしょう。あくまでざっくりですので、上長が認めたがらないためにそれを説得するために担当社員が資料作りしたり、オペレーターに粘れと指示するケースもあると考えられ、もっともっとかさむかもしれません。これがたった一人のクレームがあっただけでです。更に、返金をしたとしても、108円のために何十分も要するのはユーザーもです。返してもらってトントンなどではありません。不満を感じることでしょう。なんならブログやツイッターに上げるかもしれず、そのマイナスイメージの金銭換算はいかほどになるでしょうか。

ということで、手続きの煩雑な大きな会社ほど、クレーム防止策にはうるさいはずですが、さて、楽天はどうでしょうか。とりあえず本体は東証一部上場企業です。

申し込み時点

キャプなど取っていませんでしたので、イメージ検索で見つけた近い期間のバナーを載せます。

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この時点ではとりあえずカードを作れば8000ポイントもらえるんだという印象を受けると思います。ページに進んでもその印象は変わりませんが、いきなり8000ポイントがもらえるのではなく、とりあえず2000ポイント。追って6000ポイントといういうような段階があり、6000ポイント獲得のためには発行されたカードの利用実績が必要だということがわかります。

申し込み直後

カードが発行されると、2000ポイントはもらえます。が、前後関係は記憶が曖昧ですが、そのためにキャンペーンのエントリーが必要になります(これはバナーにも書いてありますが、いうてもエントリーボタンを押すだけです)。まずここで疑問なのですが、ポイントが欲しくて申し込んでいる、そういう導線を描いているのだから、それが要らないという人はいるのでしょうか?まあいいです。

申し込み後約1ヵ月

なかなか残りの6000ポイントが貰えません。何かまだ逃したことがあるのかと楽天ページだけでなく、ブログ記事などもチェックしますが、ぱっとは見つかりません。楽天カードの利用実績が必要なことはわかっていましたので、とりあえずひとつ買い物はしてあります。

申し込み後約2ヵ月

まだ貰えません。というか、もう軽く忘れています。あ、そういえばあれどうなったかしらとふと思い出してチェックしてみた結果、まだ、という程度です。

申し込み後約3ヵ月

結論をいうと、この辺りで付与が行われますが、申し込みから時間が経ちすぎてさすがにもうほぼ完全に忘れています。あるブログで楽天の記事が出ていて、たまたまそれを読んで思い出したのです。

それはまあいいです。よくもないのですが、ちゃんともらえたのであれば、嘘やごまかしはなかったんだとなんとか納得もできます。

しかし、付与を知ったページに驚きの事実が記載されています。キャプチャ貼ります。

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付与から約10日後に失効させているのです。3ヵ月待たせて、いつの間にか付与したものをたったの10日で。

前述のとおり、大手ほどクレーム対応のコストは大きく、6000円相当の問題を軽視するとはとても思えません。どこかには記載があったのだと信じたいところです。が、そういう問題があると認識している運用経験者である自分が、見逃すぐらいにはわかりにくいということは言えると思います。知識経験の問題だけでなく、一ユーザーとして、懐疑の心を持ち、関連ブログをチェックするまでしたのですから、それでも見逃すほどの記載を、記載と呼べるのかというと疑問です。

百歩譲って、サイト上の話では見逃した方が悪いとしましょう。そういう使いにくいポイントであるということも、受け入れましょう。しかし私が楽天であれば、クレームを防ぐためにリマインドはします。具体的にはメールになるでしょう。さて、そこで過去メールを探ってみたところ、見つけられたもので関連するのは2/29、失効当日に、このキャンペーンの話というわけでもなく、失効するポイントがあるかもしれないので確認してねメールだけでした。まず、付与されたと認識していない者が、機械的なメールを受け取ったところで、実は付与されていて、それは期間限定しかも短期で、失効日はその日とわかれいうのは難しいのではないでしょうか。

もう百歩譲って、きちんとリマインダメールを何度も送っていたのにもかかわらず、私がそのメールを毎度ゴミ箱に移し、さらにご丁寧にゴミ箱から削除までしたという、自己責任だとしましょう。しかし、実感されている方も少なくないと思いますが、楽天は毎日アホほどメールを送ってきます。認識としてはスパムとあまり変わりません。一つ例に挙げますが、失効日同日に送られてきたメールに「<再送>【楽天リサーチ】アンケートのお願い」という物がありました。何が再送なのか知りませんが、アンケートなど暇で答えたければ答えるというだけのことだから、どうでもいいです。読みません。そんなもんはリマインドするのかというのもあるし、そのほぼスパムで他のメールの重要性を落としているのもアホらしい話です。

まとめ

2015年末の段階の話ではありますが、楽天カードの入会特典ポイントをもらい、利用するためには、まず、申し込み後、忘れずキャンペーンにエントリーする。そのカードで最低1回の買い物をする。全てのポイントが付与されるのには3ヵ月近くかかる上、たったの10日で失効、しかもその通知は期待できないので、念のためポイントが付与されていないかをときどき確認する、といったことが必要になります。逆に言えばこれだけ気をつければ大丈夫なはずですが、3ヵ月憶えておくのはなかなか大変なので、カレンダーの記録やアプリでのリマインダを設定しておいた方がいいでしょう。

私の認識では、という頼りない話にはなりますが、このぐらい大きな会社の大きなキャンペーンであるならば、ど頭に、「約3ヶ月後に、10日ほどの短期で失効しますが6000円相当のポイントを付与します」と大きく明記すべきでだと思います(本来であればテレビCMの段階でも)。「そのためには更にキャンペーンのエントリーが必要ですのでお見逃しのないよう」という文言も加えた方がいいでしょう。そして、付与の際には【重要】を加えた、リマインダメールを何度か送った方がいいでしょう。

というのは、こういうキャンペーンを打つからには、基本的には数千円相当のポイントを付与してでもいつかはペイするという長期的なスパンの話だと思います。なので、しっかりとキャンペーン内容を理解、信用してもらうことはとても重要です。理解していても申し込んだと思いますし、その後わざわざ解約するということはしないでしょう。しかし、今はポイントを使いきった後の解約を心に決めています。個人情報を預けるに値する相手ではないと不信感をいだいたからです。いうても楽天側も稼働はかかっているし、2000ポイントは付与しているのだから丸損なはずですが、それは誰得なのでしょうか?

もし、スタンスとして、でかい餌はまくけど、説明をわかりにくくすることで恩恵を享受するユーザの割合は低くなる、というところまで企画段階で盛り込んでいたとしたら、それは糾弾されるべき悪手だと思います。

さすがにそれはないと信じます。なので、これはバッシングではなく、これから申し込む人はこういうことがあるので、きちんと認識して、きちんとポイントを貰って使いましょう。楽天側はこれだけのネガティブな面があるのだから、告知はきちんとした方がよいのではないでしょうかという意見と捉えてもらえれば幸いです。

ちなみに、問い合わせも行いましたが、ポイント付与日と利用期間が短い旨は新規入会ページにあったとのことです。キャプチャ取っていませんでしたし、取ってあったとしてもいうからにはどこかには書いてあったのでしょうから、ごねるところでもないので、そうですか、で終わります。