Flower Companyz武道館応援エントリー

いきなりだけどこの武道館、実は、ついに、と胸はっていうほどフラカン歴は長くない。TVKっ子だったので特に初期とかは大体知っていたりするけど、ライブを観るようになったのはつい6年前。20週年のO-EAST。今回の武道館もFC先行でいい席押さえてくれた友だちが、フラカンに興味なくても未発表のゲストがかなりの高確率でスピッツだから来たほうがいいって誘ってくれたのが初めて。実はスピッツもそのときが初だったのだけど、衝撃を受けたのはどちらかといえばフラカンの方だった。ベッタベタだけど”深夜高速”でゲロ泣きした。そういう曲があるのは知ってたけどここまですさまじいかと打ちのめされた。なんてすごい曲をやるバンドなんだと一気にファンになって、それから、東京でやるライブは結構行ってる。そして毎度何らかの気持ちをもらって帰ることができている。ファンになれて幸せ。


深夜高速 / フラワーカンパニーズ - YouTube

さて、フラカンのイメージとはどんなものでしょうか。おれが存在は知っていながら、そしてハマるほど好きな要素がありながら長らく無視していたのがそこなのだけど、軽薄だった、っていう一言に尽きる。時代の間に生まれてしまったというか、BOOMとかジュンスカとかレピッシュの名残がありつつ、そういうのはもういいかな、という空気があり、スピッツミスチルがテレビ向けの所謂いい歌を届ける裏でブランキーとかミッシェルみたいな所謂売れ線とは一線を画した二枚目のバンドが台頭しつつあって、そことは関係なさそうなところでLUNA SEAとかラルクのヴィジュアル勢が着実にファンを増やすなか、フラカンは依然としてなんとなく居所のない三枚目のチャラいバンドだった。これはこれ書いてて検索して出てきたページに兵庫が同じこと書いてたのでおれだけじゃないと思う。

ro69.jp

フラカンがそのチャラいイメージをどう克服してきたのかは前述の兵庫のインタビューにも詳しいけど、このインタビューも時間があったら読んでみて欲しい。

natalie.mu

要は、ストリートの、とかではなく、この時代の日本を生きる人のリアルなんです。もしかしたら敬遠していたチャラさすら自分自身であったかもしれず、それを克服して、生きることを諦めないでなんとかかんとかやってる。そういう人たちにその言葉が響く。ミュージシャンだからって華々しくもない。多分普通に就活してサラリーマンやってた方がお金稼げて生活も楽だったと思われる。でもやめないでくれた。

ここでもう1曲聴いてみて欲しい曲がある。暗いっていったらとにかく暗いけど、例えばもしあなたが社会人で、日々に、将来になにかしらの引っ掛かりを抱えているなら、この曲(歌詞)はきっと響く。おれはかつてチャラいと思っていたバンドがここまで胸にくる曲を書くのかと驚きどころじゃないショックを受けたし、”深夜高速”がまぐれでもなんでもないということを証明してくれた。


【フラワーカンパニーズ】エンドロール - YouTube

この武道館は、ちょっと大げさに言えば日本ロック史における重要な事件です。下記ページを見ても、ベテランから中堅、若手まで、これでもかってぐらいのバンドや著名人がお祝いのコメントと、民生とかウルフルズみたいに予定が入っちゃってる人たち以外は参加を表明している。

フラカンの日本武道館

きっと多くの人にとってはそんなバンドいたかもなー、とか、世代じゃないからまったく知らないって存在だと思います。ただ、いま興味がなくても、暇で、お金にちょっとの余裕があるなら是非来てみて欲しい。後々、ああ、目撃しておいてよかったな、と思うようなライブになるはず。特にアラサーアラホーには。
そして、これを次に繋げたい。音楽は、僕たちを楽しませてくれ、日々の活力を与えてくれる大事な仕事です。それがちょっとやってダメなら止めるってのじゃ困る。ヒットには恵まれなくてもずっと続けてくれる人が、音楽だけやって生きていける国であって欲しい。そのモデルケースとなる大事な一歩です。記念碑的な日です。さて、そんなフラカンの武道館は2015年12月19日です。是非是非。

しかし6年前をついってのも歳とったわな。