電子書籍

ヴォイニッチホテルはちょっと気になっていて、とはいえ忘れたりしてたのだけど、3巻が出たところで完結だというし、評判もすごくよかったのでこれはまとめて買うべと思ってamazonをチェックしたところ、1巻が売っていない。正確には電子書籍版しかない(ちなみにヨドバシもなのでamazonの問題ではない)。

結局amazonの中古全巻セットならほぼ定価で買えたのでそっちにしたんだけど、普通に買いたかった(作者にお金を落としたかった)のに最新の3巻すらそれができなかった。

最終巻を出して、評判も上々というところに既刊分を切らすというのは素人考えでは機会損失としかいいようがない大ボケだけど、刷りすぎて在庫だぶつかせたくないから、どうしても読みたくなったら電子書籍で買ってねということなのでしょう。

となるとそろそろ本気で電子書籍を検討しないといけないのかなあと思って調べてみた。

ちなみに3年ぐらい前仕事で電子書籍のポータルみたいなのの運用をしていたことがあるのだけど、発行元ごとにリーダーが違って、誰がこんなめんどくさいの買うんだよと思ってまるで興味をもっていなかった。何か買っても、発行元が違えばそっちで読むためにはまた買い直さないといけないとかかなり疑問。

結論から書くとまだ手を出すタイミングじゃないな。漠然と、リーダーが違う=ファイル形式の統一がないってところまでは百歩譲って受け入れて、そこは一番大きいkindleにしておけばいいかなあと思った。ってとこでちょっと古いけどこの記事を読んだ。

business.nikkeibp.co.jp

要は買ったものでもDRMがかかっていて、kindleなりが売るのは読む(それを外す)権利だけってことだよね。

電子書籍のメリットってのは、①保管に場所を取らない、②何冊も持ち歩ける、③通信が確保できればいつでもどこでも買えるっていう3点だと思うんだけど、①については更に細かく書くと、「何冊蔵書があっても」っていうのが頭につくわけだよね。じゃあ蔵書って何かっていったらまあ読むことはほぼないけど、読みたくなったらいつでも、永遠に読めることを保証することでしょう。この恒久性が常に脅かされてるってのは蔵書とはいえないのではないかね。amazon社自体がいつまでもあるのか、あるとしてもkindle事業を継続してくれるのかってことには何の保証もない。なら、①はメリットとはいえない。

じゃあデメリットは何かって言ったら、買ったものを貸せない、売れない。そして①の蔵書にならないってことがぱっと思いつく。

となると一度読んだらもう読まないし、誰かにオススメすることもないものを気軽に、思いついたときにすぐ買って読むってのが考えられるスタイルということになる。イメージでは移動の暇つぶし、駅のキオスクの文庫本コーナーの代わり、ってところ。おれにそのニーズはあんまりない。

あと、まあ、絶版にならないってのも理論上のメリットには挙げられるんだろうけど、絶版になるのって、数売れない、権利がややこしい、表現的に不穏当とかだと思うので、数の問題はともかく、他は電子にしたところであんまり変わらない気がするなあ。

昔もっと無法だったころ、自炊jpgでマンガが落ちまくっていて(今は知らん)、読みやすかったし、jpgだから保管にも読むのにも適していて、これ普通に売ってくれたら買うのになと思っていた。

総合すると、所有という概念が弱い(ない)のでデメリットが大きく、いつでもどこでも買えるっていうメリットが活きるのって雑誌とかかなあと思うと、あんまり(もしくはまったく)値段が変わらない現状では要らないなあと思うわけです。端末も古くなったら買い替えの必要が出るだろうし。

音楽ソフトの流れからいうと、DRMを外すってのはそう遠くない将来実現してもおかしくない(ていうかamazonのmp3にかかってない)から、そのときはまた考えます。多分、ファイル形式の統一も話し合われるでしょう。今は過渡期で、いずれは音楽のように、ファイル形式はいくつあっても、そのプラットフォーム、リーダーは問わないという世界がくると信じて。

でも、ヴォイニッチホテルみたいなラインの作品、はなっから電子書籍のみとか出てきそうだと思うとそうも言ってられないのかもなあ。でも、そしたら諦めるっていう選択肢が有力だと思うので、こういう質はいいけど数売れない作家が淘汰されちゃうような気がする。

という備忘録。

つうか、調べてる途中でこちらのサイト見つけたけど、欲しい情報大体ここにあった。

 

電子書籍の情報をまとめてみる

富士通とかCCCなんかがいっちょかみしてあっさり撤退してるし、一番恐ろしいのは楽天がRabooとかいう電子書籍をやってたのにkoboを買収したらそっちに乗り換えて、しかも富士通がやったような他電子書籍への引き継ぎを、同じ楽天koboへすらしないという事件。よくそんなとこの同じ電子書籍サービス使えるなあ。調べてないか騙されたかマゾかのどれかだな。