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中原の虹/浅田次郎

長いこと寝かせてあったのをついに。
蒼穹の昴のサブテキストとしては完璧。柳文秀とかトム&ミスチャンとかのその後が読めてとても嬉しい。しかし。
殆ど影響はないと思うけど、どんな小さな情報でも入れたくないというコアな浅田ファンのために一応畳む。そこまでコアでこの時点まで読んでないってのもそうそう考えられないけど。
4巻途中から感じてたけど、あんなところで終わるとは。中国史に詳しくなくても、少し日本史をやったひとなら間違いなく、張作霖といえば爆殺事件でしょう?その前で終わってしまったら、吉永との関係とか、全部疑問符付きのままになってしまう。まして張学良なんて、龍玉と絡めたことが全然意味わからんなる。袁世凱が、というか西太后があれほど欲した龍玉の価値がね。そこは史実としてわかってるところなんだよね。親子とも、長城を越えて中原の覇者にはならないよ。
蒋介石もそう。半端に出しただけならまだしも、師は王逸だと言わせてしまった。蒼穹の昴の終わりで毛沢東に学を授けるような描写のあった王逸。その二人がやがてどうなるかも歴史には書いてある。
もしこれが完全な創作であったり、おれに歴史的知識がまったくなかったのなら問題ないんだろうけど、そうではないので引っかかりまくり。しかも大した知識じゃないからね。教科書に普通に書いてあること。
まだまだあるんだけど最後。白太太の占いは、春児にただ一度アレした以外は全部本当になるってのがシリーズの幹でしょう。それが揺らぎまくった。これは大きい。
実は蒼穹の昴にも同じような問題はあって、その後に起こる義和団事件において、歴史に書いてある西太后はとにかくカッコ悪いのに、そこを書いてない。正確には珍妃の井戸でごまかしている。
ということでちょい消化不良なんだけど、来年には続編をというような話もあるみたいなので待ちたい。
いうても何度も大泣きさせられた、佳作であることは間違いないんです。蒼穹の昴が完璧すぎるんです、ってことでひとつ。